「KGIとは何だろう?」
「KPIとは何が違うの?」
プロジェクトの目標や成果を管理していると、KGI(Key Goal Indicator)という言葉が登場します。
KGIとは、最終的な目標をどの程度達成できたのかを測定するための指標です。
KPIが「目標達成に向けて順調に進んでいるか」を確認するための指標であるのに対し、KGIは「最終的に目標を達成できたのか」を確認するための指標です。
この記事では、KGIの意味やKPIとの違い、プロジェクトマネジメントにおける具体例、KGIを設定するときのポイントについて解説します。
一言でいうと
KGIとは、プロジェクトや組織が最終的に達成したい目標の達成度を測定するための指標です。
KGIは英語のKey Goal Indicatorの略で、日本語では一般的に「重要目標達成指標」と呼ばれます。
例えば、システム開発プロジェクトで、
「新システムをリリースし、業務処理時間を20%削減する」
という目標があるとします。
この場合、業務処理時間の削減率などをKGIとして設定することが考えられます。
KGIを見ることで、「このプロジェクトは最終的に目標を達成できたのか?」を判断できます。
KGIとは
KGIは、英語のKey Goal Indicatorを略した言葉です。
日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。
KGIの重要なポイントは、「最終的な目標」に焦点を当てることです。
プロジェクトでは、途中の進捗だけを管理していても、最終的な成果につながっているとは限りません。
例えば、システム開発プロジェクトで、
- 予定どおり開発が進んでいる
- テストを計画どおり実施している
- 予算内に収まっている
としても、利用者が求めていた業務改善を実現できなければ、プロジェクトの目的を達成したとは言えません。
そこで、最終的に何を実現するのかをKGIとして明確にします。
KGIとKPIの違い
KGIを理解するうえで重要なのが、KPIとの違いです。
| 項目 | KGI | KPI |
|---|---|---|
| 正式名称 | Key Goal Indicator | Key Performance Indicator |
| 日本語 | 重要目標達成指標 | 重要業績評価指標 |
| 見るもの | 最終的な目標の達成度 | 目標達成に向けた進捗・パフォーマンス |
| 時間軸 | 最終結果 | 途中経過 |
簡単に考えると、
KGI=最終的に何を達成したいのか
KPI=そこに向かって順調に進んでいるのか
という関係です。
KGIとKPIの関係
KGIとKPIは、別々に考えるものではありません。
一般的には、KGIを達成するためにKPIを設定するという関係になります。
例えば、ECサイトの改善プロジェクトを考えてみます。
KGI:年間売上を1億円にする
このKGIを達成するために、
- 月間訪問者数
- 購入率
- 平均購入単価
などをKPIとして設定します。
つまり、
KGI
↓
「最終的に達成したい目標」
↓
KPI
「目標達成に向けて確認する途中の指標」
という構造になります。
プロジェクトにおけるKGIの具体例
システム開発プロジェクト
例えば、業務システムを刷新するプロジェクトであれば、次のようなKGIが考えられます。
- 業務処理時間を20%削減する
- 年間運用コストを10%削減する
- 利用者満足度を90%以上にする
ここで重要なのは、「システムを完成させる」だけを最終目標にしないことです。
システムを作ることは成果物の完成であり、プロジェクトの目的とは必ずしも同じではありません。
そのシステムによってどのような価値を実現するのかをKGIとして考えることが重要です。
業務改善プロジェクト
業務改善プロジェクトであれば、
- 作業時間を30%削減する
- 年間コストを500万円削減する
- 手作業によるミスを50%削減する
などがKGIとして考えられます。
Webサイト改善プロジェクト
Webサイトの改善プロジェクトであれば、
- 問い合わせ件数を月500件にする
- 成約件数を月100件にする
- 売上を年間20%増加させる
などがKGIとして考えられます。
KGIとプロジェクトの目的・目標の違い
KGIを考えるとき、「プロジェクトの目的や目標と何が違うのか」と疑問に感じることがあります。
厳密には、KGIは目標そのものというより、目標の達成度を測定するための指標です。
例えば、
プロジェクトの目的:
業務効率を向上させる
目標:
業務処理時間を20%削減する
KGI:
業務処理時間の削減率
というように考えることができます。
ただし、実務では「業務処理時間を20%削減する」という目標自体をKGIと表現することもあります。
そのため、用語の厳密な使い分けよりも、「最終的な成果を何で測定するのか」という考え方を理解することが重要です。
KGIを設定するときのポイント
1.プロジェクトの目的と結びつける
KGIは、プロジェクトの目的と直接関係するものにします。
例えば、業務効率化が目的なのに、「作成した画面数」をKGIにしても、本来の目的を測定できません。
成果物を作ったことではなく、成果物によってどのような価値を実現するのかを考えることが重要です。
2.測定可能なものにする
KGIは、できるだけ客観的に測定できるものにします。
例えば、
「顧客満足度を高める」
だけでは、達成したかどうかを判断しにくいでしょう。
そこで、
「顧客満足度90%以上」
のように具体化します。
3.達成期限を設定する
KGIには、可能であれば達成する期限を設定します。
例えば、
「2027年3月末までに、業務処理時間を20%削減する」
とします。
期限が明確になることで、プロジェクトの進捗や達成状況を評価しやすくなります。
4.KPIとのつながりを明確にする
KGIだけを設定しても、プロジェクトの途中で「何を確認すればよいのか」が分からない場合があります。
そのため、KGIを達成するために必要なKPIを設定します。
例えば、
KGI:業務処理時間を20%削減する
- KPI:新システムの利用率
- KPI:処理時間の平均値
- KPI:操作エラー件数
のように設定できます。
KGIを設定するメリット
プロジェクトのゴールが明確になる
KGIを明確にすることで、プロジェクトメンバーが「最終的に何を達成するのか」を共有できます。
成果物だけでなく価値に目を向けられる
「システムを作る」「マニュアルを作る」といった成果物だけでなく、その成果物によって何を実現するのかを意識できます。
KPIを設定しやすくなる
最終目標であるKGIが明確になれば、その達成に必要な途中経過をKPIとして設定しやすくなります。
プロジェクト終了後の評価がしやすくなる
プロジェクトが終了した後に、KGIを基準として「当初の目的を達成できたのか」を評価できます。
KGIと成果物は同じではない
プロジェクトマネジメントでは、成果物を完成させることと、プロジェクトの目的を達成することは必ずしも同じではありません。
例えば、新しい業務システムを開発するプロジェクトで、
「システムを予定どおり完成させる」
ことだけを考えてしまうと、利用者が使いにくいシステムになってしまう可能性があります。
本来の目的が業務効率化であれば、
「システム完成」→「業務処理時間を20%削減」
というように、成果物の先にある価値まで考える必要があります。
KGIを設定することで、プロジェクトが「何を作るか」だけではなく、「何を実現するのか」に目を向けやすくなります。
PMBOK®との関係
KGIという言葉自体は、PMBOK®の固有の用語ではありません。
一方で、KGIの考え方は、プロジェクトの成果や価値を重視するPMBOK®第7版の考え方と関連しています。
PMBOK®第7版では、プロジェクトを単に計画どおりに実行することだけではなく、価値を提供し、成果を実現することが重視されています。
そのため、KGIを考える際にも、
「プロジェクトで何を作ったのか?」
だけではなく、
「その結果、どのような価値や成果を実現したのか?」
という視点を持つことが重要です。
KGIと測定パフォーマンス・ドメイン
PMBOK®第7版には、8つのパフォーマンスドメインの一つとして測定パフォーマンス・ドメインがあります。
測定パフォーマンス・ドメインでは、プロジェクトの状況やパフォーマンスを測定し、その結果を分析して意思決定につなげることが重視されています。
KGIは、その中でも最終的な成果を評価するための指標として考えることができます。
例えば、
KGI:業務処理時間を20%削減する
↓
KPI:月ごとの平均処理時間を測定する
↓
測定結果を分析する
↓
必要な改善策を実施する
という流れで、最終的な成果に向けてプロジェクトを管理できます。
プロジェクトマネージャ試験ではここが重要
KGIについては、単純に「重要目標達成指標」と暗記するだけでなく、KPIとの関係を理解することが重要です。
特に、
KGI=最終的な成果
KPI=その成果に向かう途中のパフォーマンス
という関係を押さえておきましょう。
また、プロジェクトマネージャは「予定どおり作業が完了したか」だけを見るのではなく、プロジェクトによって期待された成果や価値が実現できたかという視点を持つことが重要です。
PM道場のワンポイント
KGIは「プロジェクトのゴール地点」と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、マラソンで考えると、
KGI=ゴール
KPI=途中のチェックポイント
です。
ゴールが決まっていなければ、どこに向かって走ればよいのか分かりません。
一方、途中のチェックポイントがなければ、ゴールに向かって順調に進んでいるのか判断しにくくなります。
プロジェクトも同じです。
「最終的に何を実現するのか」をKGIで明確にし、「そこに向かって順調に進んでいるか」をKPIで確認する。
この関係を理解すると、KGIとKPIの違いが分かりやすくなります。
関連用語
- KPI
- KRI
- パフォーマンスドメイン
- 測定パフォーマンス・ドメイン
- EVM
- EV
- PV
- AC
- CPI
- SPI
- BAC
- 品質メトリクス
まとめ
KGI(Key Goal Indicator)とは、最終的な目標の達成度を測定するための指標です。
プロジェクトでは、単に成果物を完成させるだけでなく、その成果物によってどのような価値や成果を実現するのかを考えることが重要です。
KGIとKPIの関係は、次のように整理できます。
- KGI:最終的に何を達成するのか
- KPI:そこに向かって順調に進んでいるのか
KGIを明確にすることで、プロジェクトのゴールが明確になり、そこから逆算してKPIを設定しやすくなります。
また、PMBOK®第7版で重視されている成果や価値を実現するという考え方とも相性がよく、プロジェクトの「成功とは何か」を考えるうえでも役立つ指標です。
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- CPIとは?
- SPIとは?
- BACとは?
よくある質問(FAQ)
Q. KGIとは何ですか?
A. KGIはKey Goal Indicatorの略で、日本語では「重要目標達成指標」と呼ばれます。プロジェクトや組織が最終的に達成したい目標の達成度を測定するための指標です。
Q. KGIとKPIの違いは何ですか?
A. KGIは最終的な目標の達成度を確認する指標で、KPIはその目標に向かう途中の進捗やパフォーマンスを確認する指標です。KGIを達成するためにKPIを設定するという関係になります。
Q. KGIは目標そのものですか?
A. 厳密にはKGIは目標の達成度を測定するための指標です。ただし実務では、「売上を1億円にする」のような最終目標自体をKGIと表現する場合もあります。重要なのは、最終的な成果を何で測定するのかを明確にすることです。
Q. プロジェクトではどのようなKGIを設定しますか?
A. 業務処理時間の削減率、コスト削減額、売上増加額、顧客満足度、利用率など、プロジェクトの目的や期待される成果に応じて設定します。
Q. KGIはプロジェクトの成果物と同じですか?
A. いいえ。成果物はプロジェクトによって作り出される製品やサービスなどです。KGIは、その成果物によって最終的にどのような成果や価値を実現できたのかを測定するための指標です。
Q. KGIとPMBOK®には関係がありますか?
A. KGI自体はPMBOK®の固有用語ではありません。ただし、PMBOK®第7版が重視する成果や価値の実現、測定して意思決定につなげる考え方とは関連しています。
私は令和5年度 IPAプロジェクトマネージャ試験に合格しました。
実際に合格した経験をもとに、勉強方法やおすすめ参考書、最難関といわれる午後Ⅱ論文の対策方法を詳しく解説しています。
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