「アジャイル開発ってよく聞くけれど、ウォーターフォールと何が違うのだろう。」

「PMBOK®︎でもアジャイルは重要なのだろうか。」

市場や顧客ニーズが急速に変化する現在では、計画どおりに進めるだけではプロジェクトが成功するとは限りません。

そのような変化に柔軟に対応する考え方として広く採用されているのがアジャイル(Agile)です。

この記事では、アジャイルの意味や特徴、ウォーターフォールとの違い、PMBOK®︎との関係、実務での活用方法について解説します。

一言でいうと

アジャイルとは、「小さく作って、早く確認し、改善を繰り返しながら価値を提供する開発・プロジェクトマネジメントの考え方」です。

アジャイルとは

アジャイルとは、短い期間で設計・開発・テストを繰り返しながら、継続的に成果物を改善していく開発アプローチです。

「Agile」は英語で「素早い」「俊敏な」という意味があり、その名のとおり変化への柔軟な対応を重視しています。

従来のようにすべてを最初に決めるのではなく、利用者からのフィードバックを取り入れながら価値を高めていくことが特徴です。

PMBOK®︎第7版でも、アジャイルは重要な開発アプローチの一つとして位置付けられており、プロジェクトの特性に応じて適切な手法を選択することが推奨されています。

アジャイルが重要な理由

現在のプロジェクトでは、途中で要求事項が変わることは珍しくありません。

そのため、最初にすべてを決めて進めるよりも、変化へ柔軟に対応できる仕組みが求められます。

アジャイルを採用することで、次のようなメリットがあります。

  • 要求変更に柔軟に対応できる
  • 早い段階で成果物を確認できる
  • 利用者から継続的にフィードバックを得られる
  • 手戻りを減らしやすい
  • 価値の高い機能から優先的に提供できる

アジャイルの基本的な進め方

1. 優先順位を決める

実現したい機能を一覧化し、優先順位を付けます。

2. 短期間で開発する

1〜4週間程度の短い期間(イテレーションやスプリント)で開発を進めます。

3. 成果物を確認する

完成した成果物を顧客や利用者に確認してもらい、フィードバックを受けます。

4. 改善を繰り返す

得られたフィードバックを反映し、次のイテレーションで改善を行います。

このサイクルを繰り返しながら、価値の高い成果物を作り上げていきます。

アジャイルとウォーターフォールの違い

項目アジャイルウォーターフォール
進め方繰り返し開発する工程を順番に進める
要求変更柔軟に対応できる変更が難しい
成果物の提供早い段階から提供する最後にまとめて提供する
向いているプロジェクト変化が多いプロジェクト要求が明確なプロジェクト

スクラムとの違い

アジャイルは考え方や開発アプローチ全体を指します。

一方、スクラムはアジャイルを実現するための代表的なフレームワークです。

つまり、「アジャイル」という大きな考え方の中に、「スクラム」や「XP(エクストリームプログラミング)」などの実践方法が含まれています。

実務ではこんな場面で活用される

例えば、新しいスマートフォンアプリを開発するプロジェクトを考えます。

利用者のニーズが変化しやすいため、最初からすべての機能を決めるのではなく、まず最低限の機能を開発します。

その後、利用者の意見を取り入れながら、新しい機能を追加・改善していきます。

このように、変化へ柔軟に対応しながら価値を高められることが、アジャイルの大きな強みです。

よくある勘違い

アジャイルは「計画を立てない」わけではない

アジャイルでも計画は立てます。

ただし、すべてを最初に固定するのではなく、状況に応じて計画を見直しながら進めます。

アジャイルなら必ず成功するわけではない

アジャイルは万能ではありません。

要求がほとんど変わらない大規模インフラ工事などでは、ウォーターフォールの方が適している場合もあります。

重要なのは、プロジェクトの特性に合わせて適切な手法を選択することです。

プロジェクトマネージャ試験ではここが重要

IPAのプロジェクトマネージャ試験やPMP®試験では、アジャイルに関する知識が重要になっています。

午後試験では、次のような観点を説明できることが重要です。

  • アジャイルを採用した理由
  • ウォーターフォールとの使い分け
  • 要求変更への対応方法
  • ステークホルダーとの継続的なコミュニケーション

単に「アジャイルを採用した」と説明するのではなく、「変化への対応や価値提供を重視したため採用した」と説明できることが評価につながります。

PM道場のワンポイント

アジャイルの本質は、「速く開発すること」ではありません。

本当に重要なのは、利用者からのフィードバックを素早く取り入れ、価値を継続的に高めることです。

そのため、アジャイルではコミュニケーションやチームワークが非常に重要になります。

優れたプロジェクトマネージャは、「計画どおりに進めること」よりも、「価値を最大化すること」を重視しています。

関連用語

  • ウォーターフォール
  • スクラム
  • イテレーション
  • スプリント
  • プロダクトバックログ
  • ステークホルダーエンゲージメント
  • 要求事項
  • PMBOK®︎ガイド

まとめ

アジャイルとは、小さく開発し、継続的なフィードバックを受けながら成果物を改善していく開発アプローチです。

変化への柔軟な対応を重視しており、PMBOK®︎第7版でも重要な考え方として取り上げられています。

プロジェクトマネージャにとっては、「計画を守ること」だけではなく、「価値を継続的に提供すること」を実現するための重要なアプローチと言えるでしょう。


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よくある質問(FAQ)

Q. アジャイルとは何ですか?

A. 小さな単位で開発と改善を繰り返しながら、変化に柔軟に対応して価値を提供する開発アプローチです。

Q. ウォーターフォールとの違いは何ですか?

A. アジャイルは要求変更に柔軟に対応しながら繰り返し開発しますが、ウォーターフォールは工程を順番に進める手法です。

Q. スクラムとアジャイルは同じですか?

A. 同じではありません。アジャイルは考え方全体を指し、スクラムはアジャイルを実践するための代表的なフレームワークです。

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まーも
はじめまして。 当ブログをご覧いただきありがとうございます。 私は EPCプロジェクトで10年間の実務経験 を積み、その後 企業研修の講師として4年目 になります。 現在は、年間300名以上の受講者に向けて、プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師 を担当しています。 資格としては、 IPAプロジェクトマネージャ試験 合格 PMP®(Project Management Professional) CSM®(Certified ScrumMaster) FP2級 を取得しており、実務と理論の両面から「プロジェクトを成功に導くスキル」を伝えることを得意としています。 EPC業界で培った現場のマネジメント力と、研修講師としての教育経験を活かし、 プロジェクトを円滑に進めるための実践ノウハウ チームをまとめるコミュニケーション術 若手育成やキャリア形成のヒント などを、わかりやすく発信しています。 「現場で役立つ知識を、誰でも理解できる形で」 をモットーに、皆さまの成長と成功をサポートします。
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