「プロジェクトマネージャ試験まで時間がない。どうやって勉強すればいい?」
「PM経験もIT知識もあるけれど、短期間で合格するには何を優先すればいい?」
「午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱ……全部勉強していたら時間が足りない!」
そんな方もいるのではないでしょうか。
プロジェクトマネージャ試験の勉強では、単純に勉強時間を増やすだけではなく、限られた時間をどこに配分するかが重要です。
この記事では、次のような方を想定して、効率的な勉強方法を解説します。
- PMとして1プロジェクト以上の経験がある
- 基本情報技術者試験に合格できる程度のIT知識がある
- 午前Ⅰが免除されている
- 試験まで半年未満しかない
結論:短期合格を目指すなら、午前Ⅱ・午後Ⅰを7割で切り上げて午後Ⅱに集中する
結論から言うと、短期間で合格を目指す場合は、「すべてを完璧にしようとしないこと」が重要です。
午前Ⅱ、午後Ⅰは、安定して7割を超えたら勉強を切り上げます。
そして、残った時間を午後Ⅱの論文対策に集中します。
短期対策では、この時間配分が重要になります。
まず、自分の現在地を確認する
今回想定しているのは、次のような方です。
- PM経験がある
- ITの基礎知識がある
- 午前Ⅰが免除されている
- 試験まで半年未満
PM経験がある
ここでいうPM経験とは、自分がメインのプロジェクトマネージャとして1プロジェクト以上経験していることです。
PM補佐、PMO、PLなどの経験だけの場合は、ここでいうPM経験には含めません。
プロジェクトマネージャ試験では、午後Ⅱの論文で実際のプロジェクト経験を活用できます。
そのため、PMとしての実務経験があることは大きな強みです。
ITの基礎知識がある
ここでは、「基本情報技術者試験に合格できる程度のIT知識がある」ことを目安とします。
このレベルのIT知識があれば、プロジェクトマネージャ試験のためにIT基礎を一から勉強する必要はありません。
午前Ⅰが免除されている
午前Ⅰについては、免除されているかどうかで考えます。
応用情報技術者試験に合格していても、免除の有効期間を過ぎている場合があります。
また、応用情報技術者試験以外の条件によって午前Ⅰが免除される場合もあります。
したがって、
「応用情報に合格しているか」ではなく、「今回受験するプロジェクトマネージャ試験で午前Ⅰが免除されているか」
を確認してください。
※午前Ⅰの免除条件については、受験年度のIPAの最新情報を必ず確認してください。
試験まで半年未満
今回の最大のポイントです。
試験まで半年未満しかない場合、長期的な計画でじっくり勉強することはできません。
そのため、「試験日から逆算して、勉強時間を戦略的に配分する」必要があります。
短期対策では、時間そのものが重要なリソースです。
短期対策では「時間との勝負」になる
短期間で合格を目指す場合、最初にやってほしいことがあります。
それは、「試験日までのスケジュールを決めること」です。
例えば、試験まで4ヶ月あるとしましょう。
一例として、次のように考えます。
- 1ヶ月目:午前Ⅱ
- 2ヶ月目:午後Ⅰ
- 3ヶ月目:午後Ⅱ
- 4ヶ月目:実戦形式の演習・弱点補強
もちろん、これはあくまで一例です。
現在の実力や勉強できる時間によって調整してください。
重要なのは、「いつまでに、どこまで仕上げるのか」を決めておくことです。
「時間があるときに勉強する」というやり方では、午後Ⅱの論文対策が後回しになってしまう可能性があります。
特に午後Ⅱは、実際に論文を書く練習が必要です。
最後になって、「午後Ⅱを全然練習できていない!」ということにならないように、最初からスケジュールに組み込んでおきましょう。
おすすめの勉強ルート
短期の場合も、基本的な順番は変わりません。
- PM基礎の確認
- 午前Ⅱ
- 午後Ⅰ
- 午後Ⅱ
- 本番を想定した演習
ただし、長期の場合とは大きく異なるポイントがあります。
それは、「合格に必要な水準に到達したら、その科目の勉強を切り上げる」ということです。
- 午前Ⅱ:安定して7割超え → 終了
- 午後Ⅰ:安定して7割超え → 終了
そして、そこで生まれた時間を午後Ⅱに回します。
STEP1:PMの基礎を確認する
まずはプロジェクトマネジメントの基礎を確認します。
ここは長期の場合と基本的には同じです。
プロジェクトマネージャ試験向けの参考書を一度読み、「自分が何を知っていて、何を知らないのかを把握する」ことを目的とします。
すべてを暗記する必要はありません。
参考書を読んで、次のように自分の知識を確認します。
- これは知っている
- これは仕事で使っている
- これは聞いたことがあるけれど、詳しく知らない
- これは知らない
そして、知らない部分を重点的に理解します。
つまり、次の流れです。
- 参考書を一度読む
- 自分の知識を確認する
- 知らない部分を把握する
- 知らない部分を理解する
短期だからといって、ここを完全に飛ばす必要はありません。
ただし、必要以上に時間をかけないようにしましょう。
STEP2:午前Ⅱは過去問中心で対策する
PM基礎の確認が終わったら、午前Ⅱ対策です。
午前Ⅱは、基本的に過去問中心で対策します。
おすすめなのが、プロジェクトマネージャ試験の過去問を無料で解ける「過去問道場」です。
基本的な流れは、次のとおりです。
- 過去問を解く
- 間違えた問題を確認する
- なぜ間違えたのかを理解する
- もう一度解く
目標は「安定して7割」
長期の場合は、午前Ⅱの正答率8割を目標としました。
一方、短期の場合は、「過去問で安定して7割を超えること」を目標とします。
ここで重要なのは、一度だけ7割を取ることではありません。
何度か過去問を解いて、「だいたい7割以上取れる」という状態を作ることです。
安定して7割を超えるようになったら、午前Ⅱの勉強はそこで終了します。
「もっと8割、9割を目指したい」という気持ちになるかもしれません。
しかし、短期ではその時間を午後Ⅱに回した方がよいでしょう。
午前Ⅱはスキマ時間を活用する
午前Ⅱ対策には、短期ならではの勉強方法があります。
それが、スキマ時間の活用です。
過去問道場はスマートフォンからも利用できます。
そのため、次のような時間でも過去問を解くことができます。
- 通勤時間
- 昼休み
- 電車を待っている時間
- ちょっとした待ち時間
例えば、通勤時間に10問だけ解くという方法でも構いません。
短期では、「まとまった勉強時間を確保するだけでなく、スキマ時間も積み重ねる」ことが重要です。
特に午前Ⅱは過去問演習との相性が良いため、スキマ時間を積極的に活用しましょう。
STEP3:午後Ⅰは解法を学んで過去問演習する
午後Ⅰからは、午前Ⅱとは勉強方法が変わります。
午後Ⅰでは、単純に知識を覚えるだけではなく、「問題文を読んで、どのように解答を導き出すのか」という解法を身につける必要があります。
まず参考書などを使って、プロジェクトマネージャ試験特有の午後Ⅰ問題の解き方を学びます。
その後、過去問演習を行います。
応用情報の経験があっても午後Ⅰ対策は必要
午前Ⅰが免除されている方は、応用情報技術者試験などの午後問題を経験していることもあるでしょう。
その場合、記述問題に慣れているというメリットがあります。
ただし、「プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰには、プロジェクトマネージャ試験特有の考え方があります。」
そのため、参考書でプロジェクトマネージャ試験の解法を確認しておきましょう。
応用情報などで身につけた記述問題への対応力を活かしつつ、プロジェクトマネージャ試験特有の部分を押さえるイメージです。
午後Ⅰも「安定して7割」で切り上げる
午後Ⅰについても、長期では8割を目標とします。
しかし短期では、「安定して7割を超えたら、午後Ⅰ対策を終了する」という考え方で進めます。
もちろん、7割ぎりぎりでは不安定な可能性があります。
何度か過去問を解いて、安定して7割以上取れることを確認しましょう。
そこまで到達したら、さらに午後Ⅰの点数を伸ばすために時間を使うのではなく、午後Ⅱに移ります。
STEP4:午後Ⅱを重点的に対策する
短期対策で最も重要なのが午後Ⅱです。
なぜなら、午後Ⅱは次のような複数の能力が必要だからです。
- 論文の解法を学ぶ
- 自分のPM経験を整理する
- 問題に合わせて経験を組み立てる
- 実際に論文を書く
- 時間内に書き切る
そして、これらは短期間で一気に身につけるのが難しい部分です。
そのため、「午前Ⅱ・午後Ⅰを7割で切り上げ、できるだけ早く午後Ⅱ対策に時間を移す」ことが重要になります。
まず論文の解法を学ぶ
午後Ⅱも、まずは参考書などを使って解法を学びます。
例えば、次のような内容です。
- 問題文の読み方
- 設問の意図の把握
- 論文全体の構成
- 各章で何を書くか
- 自分の経験を設問に合わせる方法
- 文字数の調整
- 時間配分
午後Ⅱでは、「自分のPM経験をたくさん書けばいい」というわけではありません。
「設問に対して、自分の経験を使って論理的に答えること」が重要です。
そのため、実際に論文を書く前に、まず解法を理解しましょう。
自分のPM経験を整理する
次に、自分のPM経験を整理します。
PM経験がある方は、午後Ⅱに使える材料を持っています。
しかし、本番で、「このテーマなら、どのプロジェクトを使おう?」と考えている時間はありません。
あらかじめ経験を整理しておきましょう。
例えば、次のような項目を整理します。
- プロジェクトの概要
- プロジェクトの目的
- 自分の役割
- プロジェクトの特徴
- 発生した課題
- 発生したリスク
- 関係者
- 自分が行った対応
- なぜその対応を行ったのか
- 対応した結果
- プロジェクトへの影響
- 自分自身の評価・振り返り
10の知識エリアごとに整理する
特におすすめなのが、10の知識エリアごとに経験を整理することです。
- 統合:プロジェクト全体の調整、意思決定
- スコープ:要件・成果物、スコープ変更
- スケジュール:遅延、納期調整
- コスト:予算、コスト超過への対応
- 品質:品質問題、品質改善
- 資源:メンバー、リソース調整
- コミュニケーション:情報共有、会議、報告
- リスク:リスクの特定・分析・対応
- 調達:ベンダー、外部委託
- ステークホルダー:利害関係者との調整
一つのプロジェクト経験が、複数の知識エリアに該当することもあります。
例えば、プロジェクトの遅延という一つの経験でも、次のような複数の観点から整理できます。
- スケジュール
- リスク
- コミュニケーション
- ステークホルダー
- 統合
短期の場合は、完璧な経験データベースを作ろうとする必要はありません。
「午後Ⅱの論文を書くために、自分の経験をすぐに取り出せる状態にすること」を意識しましょう。
最低でも5問は実際に論文を書く
午後Ⅱは、実際に論文を書いて練習する必要があります。
短期の場合は、「少なくとも5問」を目安にしましょう。
もちろん、試験までの残り時間によって調整してください。
半年近くある場合と、2ヶ月しかない場合では、論文演習に使える時間も違います。
ただし、最低限、「実際に時間を測って、最初から最後まで論文を書き切る」ことをおすすめします。
問題を読んで、「このテーマなら、こう書けばいい」と考えるだけでは不十分です。
実際に書いてみることで、次のような自分の課題が見えてきます。
- 時間が足りない
- 文字数が足りない
- 書くことがなくなる
- 設問に答えられていない
- 経験と問題がうまく結びつかない
そして、次のサイクルを回します。
- 論文を書く
- 振り返る
- 経験の整理を見直す
- 解法を修正する
- また論文を書く
短期の場合、このサイクルを効率よく回すことが重要です。
STEP5:最後は実戦形式で演習する
試験直前は、本番を想定した演習を行います。
ここでは、「実際の試験と同じ時間配分で問題を解く」ことを意識しましょう。
特に午後Ⅱを重視してください。
午後Ⅱでは、問題を読んでから論文を書き終えるまでを、決められた時間内で行う必要があります。
本番と同じ時間で実際に書いてみることで、次のようなことが分かります。
- どのくらいの時間で構成を考えればよいのか
- どこで時間を使いすぎるのか
- 最後まで書き切れるのか
また、最後の1ヶ月をすべて実戦演習にする必要はありません。
実戦演習をしながら、
- この分野が弱い
- この知識が曖昧だった
という部分が見つかったら、そこを再勉強します。
つまり、次のサイクルを回していきます。
- 実戦演習
- 弱点発見
- 再勉強
- 実戦演習
4ヶ月ある場合のスケジュール例
例えば、試験まで4ヶ月あるとしましょう。
一例として、次のようなスケジュールが考えられます。
1ヶ月目:午前Ⅱ
PM基礎を確認した後、午前Ⅱの過去問を集中的に解きます。
目標は、「過去問で安定して7割以上」です。
通勤時間などのスキマ時間も活用します。
7割を安定して超えたら、午前Ⅱ対策は終了します。
2ヶ月目:午後Ⅰ
参考書で解法を学び、その後、過去問を繰り返します。
目標は、「過去問で安定して7割以上」です。
7割を安定して超えたら、午後Ⅰ対策は終了します。
3ヶ月目:午後Ⅱ
参考書で論文の解法を学びます。
その後、「自分のPM経験を10の知識エリアごとに整理」します。
そして、過去問を使って実際に論文を書きます。
目安は、「5問以上」です。
4ヶ月目:実戦演習+弱点補強
最後の1ヶ月は、本番を想定した演習を行います。
特に午後Ⅱを重点的に行いましょう。
その中で見つかった弱点について、必要に応じて再勉強します。
このように、最後の1ヶ月は「実戦演習+弱点補強」に使うイメージです。
短期対策では「捨てる」ことも重要
短期間で合格を目指す場合、すべてを完璧にすることは難しいでしょう。
だからこそ、「何を勉強するかだけでなく、何に時間を使わないか」を決めることが重要です。
例えば、午前Ⅱで安定して7割を取れるようになったとします。
それでも8割、9割を目指して勉強を続ける。
これは、短期対策としては必ずしも効率的ではありません。
その時間を午後Ⅱに使った方がよい可能性があります。
午後Ⅰも同じです。
安定して7割を取れるようになったら、そこで一旦終了します。
そして、「午後Ⅱへ時間を移す」。
これが短期対策の基本的な考え方です。
短期対策で最も重要なのはスケジュール管理
ここまで読んで、
「なんだか普通の勉強方法と同じでは?」
と思うかもしれません。
確かに、勉強する内容そのものは大きく変わりません。
違うのは、「時間配分です。」
短期では、時間というリソースに限りがあります。
そのため、プロジェクトマネージャとして受験勉強を考えてみると分かりやすいでしょう。
- 試験日が納期
- 午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱが成果物
- 勉強時間が限られたリソース
そう考えると、「午前Ⅱをいつまでも勉強している場合ではない」ということが分かります。
午前Ⅱを合格圏まで持っていったら、次の工程へ進む。
午後Ⅰを合格圏まで持っていったら、次の工程へ進む。
そして、時間のかかる午後Ⅱに十分なリソースを投入する。
まさにプロジェクトマネジメントです。
勉強の全体像
短期で対策する場合の全体像をまとめると、次のようになります。
① PM基礎の確認
- 参考書を一度読む
- 目的は暗記ではなく、自分が知っていること・知らないことを把握する
- 知らない部分を重点的に理解する
↓
② 午前Ⅱ
- 過去問中心
- 過去問道場などを利用する
- スキマ時間も活用する
- 正答率7割を安定して超えたら終了
↓
③ 午後Ⅰ
- 参考書で解法を習得する
- その後、過去問演習を行う
- 正答率7割を安定して超えたら終了
↓
④ 午後Ⅱ
- 参考書で論文の解法を習得する
- 自分のPM経験を整理する
- 10の知識エリアごとに整理する
- 過去問を使って、少なくとも5問程度は実際に論文を書く
↓
⑤ 本番演習
- 本番を想定した時間内演習を行う
- 特に午後Ⅱを重点的に行う
- 弱点が見つかったら再勉強する
まとめ:短期合格では「完璧」より「時間配分」が重要
試験まで半年未満しかない場合、プロジェクトマネージャ試験対策は時間との勝負になります。
だからこそ、最初に試験日から逆算してスケジュールを立てましょう。
そして、「すべてを完璧にする」のではなく、「合格に必要な水準まで効率よく到達する」ことを意識します。
具体的には、次の流れがおすすめです。
- PM基礎を確認する
- 午前Ⅱを過去問中心で対策する
- 安定して7割を超えたら午前Ⅱから撤退する
- 午後Ⅰの解法を学び、過去問を解く
- 安定して7割を超えたら午後Ⅰから撤退する
- 午後Ⅱに時間を投入する
- 自分のPM経験を10の知識エリアごとに整理する
- 最低5問は実際に論文を書く
- 本番形式で演習する
短期対策では、午前Ⅱや午後Ⅰで高得点を目指すことよりも、午後Ⅱの対策時間を確保することが重要です。
特に午後Ⅱは、知識だけではなく、解法、経験の整理、論文を書く力、時間配分など、複数の能力が必要になります。
だからこそ、早い段階から午後Ⅱを意識しておきましょう。
そして何より、「プロジェクトマネージャ試験そのものを、一つのプロジェクトとして考えてみる。」ことをおすすめします。
試験日という納期に向けて、限られたリソースで必要な成果物を完成させる。
どの勉強にどれだけ時間を使うのかを決め、進捗を確認し、必要なら計画を修正する。
短期で合格を目指すなら、そんなプロジェクトマネージャらしい受験勉強をしてみてはいかがでしょうか。
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私自身のプロジェクトマネージャ試験の受験経験や勉強方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
私は令和5年度 IPAプロジェクトマネージャ試験に合格しました。
実際に合格した経験をもとに、勉強方法やおすすめ参考書、最難関といわれる午後Ⅱ論文の対策方法を詳しく解説しています。
「これから勉強を始めたい」「効率よく合格したい」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。














