プロジェクトマネジメント用語集

クラッシング(Crashing)とは?ファストトラッキングとの違いを初心者向けにわかりやすく解説

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「納期を短縮してください。」

プロジェクトでは、このような要望を受けることがあります。

その際、単純に担当者へ残業をお願いするだけでは、品質低下やメンバーの負荷増加につながる可能性があります。

そこで活用されるスケジュール短縮手法の一つがクラッシング(Crashing)です。

この記事では、クラッシングの意味や考え方、ファストトラッキングとの違い、実務での活用方法までわかりやすく解説します。

一言でいうと

クラッシングとは、「追加のリソースやコストを投入して、プロジェクト期間を短縮する手法」です。

クラッシングとは

クラッシング(Crashing)は、スケジュール短縮技法の一つです。

クリティカルパス上のアクティビティへ追加の人員や設備、予算を投入し、作業期間を短縮することで、プロジェクト全体の納期短縮を目指します。

PMBOKでは、ファストトラッキングと並ぶ代表的なスケジュール圧縮技法として位置付けられています。

クラッシングの具体例

例えば、開発工程に10日かかる予定だったとします。

そこで、開発メンバーを2人追加し、並行して作業できるようにした結果、7日で完了できるようになりました。

このように、追加リソースによって作業期間を短縮するのがクラッシングです。

変更前 変更後(クラッシング)
開発:10日(2名) 開発:7日(4名)

クラッシングのメリット

  • プロジェクト全体の納期を短縮できる
  • 作業の順番を変更しないため品質への影響が比較的小さい
  • クリティカルパスを重点的に短縮できる

クラッシングのデメリット

  • 追加コストが発生する
  • 人員を増やしても必ず短縮できるとは限らない
  • 教育やコミュニケーションコストが増える

クラッシングとファストトラッキングの違い

項目 クラッシング ファストトラッキング
方法 リソースを追加する 作業を並行実施する
増えるもの コスト リスク
代表例 人員を増やす 設計途中から開発開始

クラッシングは「お金を使って時間を買う」、ファストトラッキングは「リスクを取って時間を短縮する」と考えると理解しやすくなります。

実務ではこんな場面で活用される

例えば、顧客の要望でリリース日を2週間前倒しする必要が生じたとします。

その場合、クリティカルパス上の工程へ経験豊富なメンバーを追加したり、外部ベンダーへ一部作業を委託したりすることで、納期短縮を図ります。

ただし、追加コストと短縮効果を比較し、本当に実施すべきかを判断することが重要です。

よくある勘違い

人を増やせば必ず早く終わるわけではない

新しいメンバーへの教育や引き継ぎが必要になり、かえって効率が下がる場合があります。

特に終盤工程では、単純な増員だけでは効果が出にくいことがあります。

クラッシングはすべての作業に適用するものではない

期間短縮の効果があるのは、基本的にクリティカルパス上のアクティビティです。

クリティカルパス以外を短縮しても、プロジェクト全体の納期は変わらない場合があります。

プロジェクトマネージャ試験ではここが重要

IPAのプロジェクトマネージャ試験では、クラッシングとファストトラッキングの違いや、クリティカルパスを対象にスケジュール短縮を行う考え方が重要です。

午後試験では、「追加コストと納期短縮の効果をどのように評価したか」を説明できると評価につながります。

PM道場のワンポイント

クラッシングは「人を増やすこと」ではなく、「投資する価値があるかを判断すること」です。納期が迫ると、「とにかく応援を呼ぼう」という判断をしてしまいがちです。しかし、応援要員にも教育や調整が必要であり、追加コストも発生します。

優れたプロジェクトマネージャは、「どこへ投資すれば最も大きな短縮効果が得られるか」を考えます。

クラッシングとは、時間を短縮する技術ではなく、限られた予算を最も効果的に使う意思決定でもあります。

関連用語

  • ファストトラッキング
  • リード
  • クリティカルパス
  • フロート
  • アクティビティ
  • ネットワーク図
  • PDM(プレシデンスダイアグラム法)
  • スケジュールベースライン

まとめ

クラッシングとは、追加の人員や設備、予算を投入してプロジェクト期間を短縮するスケジュール圧縮技法です。

期間短縮には効果がありますが、その分コストも増加するため、費用対効果を考慮して実施することが重要です。

重要なのは、「人を増やせば早く終わる」と考えるのではなく、クリティカルパスを分析し、最も効果の高い場所へ投資することです。


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  • ファストトラッキングとは?
  • クリティカルパスとは?
  • リードとは?
  • ネットワーク図とは?

よくある質問(FAQ)

Q. クラッシングとは何ですか?

A. 人員や設備などのリソースを追加して、プロジェクト期間を短縮する手法です。

Q. ファストトラッキングとの違いは何ですか?

A. クラッシングはコストを増やして期間を短縮する手法、ファストトラッキングは並行作業によって期間を短縮する手法です。

Q. クラッシングはどの作業に適用すべきですか?

A. 原則として、プロジェクト全体の納期に影響するクリティカルパス上のアクティビティへ適用します。

ABOUT ME
まーも
はじめまして。 当ブログをご覧いただきありがとうございます。 私は EPCプロジェクトで10年間の実務経験 を積み、その後 企業研修の講師として4年目 になります。 現在は、年間300名以上の受講者に向けて、プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師 を担当しています。 資格としては、 IPAプロジェクトマネージャ試験 合格 PMP®(Project Management Professional) CSM®(Certified ScrumMaster) FP2級 を取得しており、実務と理論の両面から「プロジェクトを成功に導くスキル」を伝えることを得意としています。 EPC業界で培った現場のマネジメント力と、研修講師としての教育経験を活かし、 プロジェクトを円滑に進めるための実践ノウハウ チームをまとめるコミュニケーション術 若手育成やキャリア形成のヒント などを、わかりやすく発信しています。 「現場で役立つ知識を、誰でも理解できる形で」 をモットーに、皆さまの成長と成功をサポートします。
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