プロジェクトでは、「前の作業が完全に終わるまで待ってから次の作業を始める」とは限りません。
例えば、設計がすべて完了していなくても、完成した部分から開発を始められることがあります。
このように、後続作業を前倒しで開始するための考え方が「リード(Lead)」です。
この記事では、リードの意味やラグとの違い、実務での活用方法までわかりやすく解説します。
一言でいうと
リードとは、「前の作業が完了する前に、後続作業を前倒しで開始できる時間」のことです。
リードとは
リード(Lead)は、アクティビティ間の依存関係において、後続作業を前倒しして開始できる時間を表します。
PMBOKでは、スケジュールを短縮するために利用される手法の一つとして扱われています。
リードを設定することで、複数の作業を並行して進められるため、プロジェクト全体の期間を短縮できる場合があります。
リードの具体例
例えば、「基本設計」が10日間かかるプロジェクトを考えてみます。
通常であれば、基本設計がすべて完了した後に開発を開始します。
しかし、画面設計が完了した部分から順次開発を開始すれば、設計完了を待つ必要はありません。
| 通常のスケジュール | リードを利用したスケジュール |
|---|---|
| 設計完了 → 開発開始 | 設計途中から開発開始 |
このように、後続作業を前倒しで開始する時間がリードです。
リードを利用するメリット
- プロジェクト全体の期間を短縮できる
- 待ち時間を減らせる
- リソースを有効活用できる
- 納期短縮に対応しやすくなる
特に納期が厳しいプロジェクトでは、リードを活用して並行作業を行うことがあります。
リードとラグの違い
| 項目 | リード | ラグ |
|---|---|---|
| 意味 | 前倒しする時間 | 待機する時間 |
| 目的 | 期間短縮 | 適切な間隔を空ける |
| 例 | 設計途中から開発開始 | 塗装後24時間乾燥させる |
リードは「早く始める」、ラグは「少し待つ」という違いがあります。
実務ではこんな場面で活用される
例えば、100画面あるシステム開発では、すべての画面設計が終わるまで待つ必要はありません。
完成した画面から順番に開発を始めることで、開発期間を短縮できます。
また、テストケース作成も、設計が完成した部分から開始することで、後半工程の負荷を分散できます。
このように、リードは並行作業を実現するための重要な考え方です。
よくある勘違い
リードは必ず設定すれば良いわけではない
前倒しして開始すると、設計変更が発生した場合に手戻りが増える可能性があります。
期間短縮と手戻りリスクのバランスを考えて設定することが重要です。
リードは依存関係を無視することではない
前工程がある程度完了していることが前提です。
必要な情報が揃っていない状態で無理に開始すると、品質低下や作業のやり直しにつながります。
プロジェクトマネージャ試験ではここが重要
IPAのプロジェクトマネージャ試験では、PDM(プレシデンスダイアグラム法)やネットワーク図において、リードとラグの意味や使い分けが問われることがあります。
また、午後試験では、納期短縮のために並行作業を取り入れた理由や、その際のリスク管理について説明できることが重要です。
PM道場のワンポイント
例えば、設計途中で開発を始めれば、設計変更が発生した際に開発済みのプログラムを修正しなければならないかもしれません。
優れたプロジェクトマネージャは、単にスケジュールを短縮するのではなく、短縮によって増えるリスクと納期短縮の効果を比較して判断しています。
リードは「早く始める技術」ではなく、「リスクをコントロールしながら早く進める考え方」です。
関連用語
- ラグ
- アクティビティ
- PDM(プレシデンスダイアグラム法)
- クリティカルパス
- フロート
- ガントチャート
- ファストトラッキング
- クラッシング
まとめ
リードとは、前工程が完全に終了する前に後続作業を開始できる時間のことです。
適切に活用することで、プロジェクト全体の期間を短縮できますが、同時に手戻りのリスクも高まります。
重要なのは、納期短縮だけを見るのではなく、品質やリスクとのバランスを考えながらリードを活用することです。
関連記事
- ラグとは?
- クリティカルパスとは?
- PDMとは?
- アクティビティとは?
よくある質問(FAQ)
Q. リードとは何ですか?
A. 前工程が完了する前に、後続作業を前倒しで開始できる時間のことです。
Q. リードとラグの違いは何ですか?
A. リードは後続作業を早く開始する時間、ラグは一定時間待ってから開始する時間です。
Q. リードを設定するメリットは何ですか?
A. プロジェクト全体の期間を短縮できることです。ただし、設計変更などによる手戻りリスクも考慮する必要があります。
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