プロジェクトでは、前の作業が終わったからといって、すぐに次の作業を始められるとは限りません。
例えば、コンクリートを打設した後は硬化するまで待つ必要がありますし、システム変更後は一定期間の稼働確認を行ってから次の工程へ進むことがあります。
このように、作業と作業の間に意図的に設ける待ち時間が「ラグ(Lag)」です。
この記事では、ラグの意味やリードとの違い、実務での活用方法までわかりやすく解説します。
一言でいうと
ラグとは、「前の作業が終わってから、次の作業を開始するまでに設ける待ち時間」のことです。
ラグとは
ラグ(Lag)は、アクティビティ間の依存関係において、後続作業を開始する前に必要となる待機時間を表します。
PMBOKでは、アクティビティ間の論理的な関係を調整するための時間として定義されています。
ラグを設定することで、乾燥・養生・承認待ち・経過観察など、実際の業務に必要な待機期間をスケジュールへ正しく反映できます。
ラグの具体例
例えば、次のようなケースではラグを設定します。
| 前工程 | ラグ | 後工程 |
|---|---|---|
| コンクリート打設 | 7日間養生 | 型枠撤去 |
| 塗装完了 | 24時間乾燥 | 組立作業 |
| システムリリース | 3日間稼働確認 | 本格運用開始 |
| 申請提出 | 5営業日審査 | 契約締結 |
このように、人が作業をしていない時間であっても、プロジェクト上は重要な時間として管理する必要があります。
ラグを利用するメリット
- 現実的なスケジュールを作成できる
- 品質を確保できる
- 手戻りを防止できる
- 承認や確認期間を計画へ反映できる
ラグを考慮しないスケジュールは、実際のプロジェクトでは実現できない計画になってしまうことがあります。
ラグとリードの違い
| 項目 | ラグ | リード |
|---|---|---|
| 意味 | 待機時間を設ける | 前倒しで開始する |
| 目的 | 品質・確認・承認を確保する | プロジェクト期間を短縮する |
| 例 | 塗装後24時間乾燥 | 設計途中から開発開始 |
ラグは「待つ」、リードは「早く始める」という、正反対の考え方です。
実務ではこんな場面で活用される
例えば、システムを本番環境へリリースした後、すぐに次のリリースを行うのではなく、1週間程度は稼働状況を確認するケースがあります。
また、設計レビューが終わっても、顧客承認を得るまで開発を開始できない場合もあります。
このような「待ち時間」をラグとしてスケジュールへ組み込むことで、現実的で実行可能な計画を作成できます。
よくある勘違い
ラグは「何もしない時間」ではない
ラグ中でも、品質確認や監視、承認待ちなどが行われていることがあります。
担当者が手を動かしていなくても、プロジェクトとしては重要な期間です。
ラグは削れば良いわけではない
納期を短縮したいからといって、必要なラグを削ると品質低下や手戻りにつながる可能性があります。
短縮する場合は、十分にリスクを評価した上で判断することが重要です。
プロジェクトマネージャ試験ではここが重要
IPAのプロジェクトマネージャ試験では、PDM(プレシデンスダイアグラム法)やネットワーク図でリードとラグの違いが問われることがあります。
また、午後試験では、品質確保や承認プロセスを考慮したスケジュール設計について説明できることが重要です。
「ラグ=待機時間」「リード=前倒し時間」という基本を正しく理解しておきましょう。
PM道場のワンポイント
例えば、リリース直後の稼働確認期間を設けなかったため、不具合が見逃され、大きな障害につながることもあります。
優れたプロジェクトマネージャは、ラグを単なる待機時間ではなく、品質やリスクを管理するための重要な時間として設計しています。
プロジェクトを早く終わらせることよりも、確実に成功させることの方が重要です。
関連用語
- リード
- アクティビティ
- PDM(プレシデンスダイアグラム法)
- クリティカルパス
- フロート
- ガントチャート
- ファストトラッキング
- 品質マネジメント
まとめ
ラグとは、前工程が終了してから後続作業を開始するまでに設ける待機時間のことです。
適切なラグを設定することで、品質や安全性を確保しながら、現実的なスケジュールを作成できます。
重要なのは、ラグを「削るべき時間」と考えるのではなく、プロジェクトを成功へ導くための必要な時間として管理することです。
関連記事
- リードとは?
- PDMとは?
- クリティカルパスとは?
- アクティビティとは?
よくある質問(FAQ)
Q. ラグとは何ですか?
A. 前工程が終了してから後続作業を開始するまでに設ける待機時間のことです。
Q. ラグとリードの違いは何ですか?
A. ラグは待機時間を設ける考え方、リードは後続作業を前倒しで開始する考え方です。
Q. ラグはスケジュール短縮のために削っても良いですか?
A. 必要なラグを削ると品質低下や手戻りにつながる可能性があります。短縮する場合は、リスクを十分に評価した上で判断することが重要です。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。

