応用情報を先に取るべき?プロジェクトマネージャ試験前に受験するメリット・デメリット
「プロジェクトマネージャ試験を受験したいけれど、先に応用情報技術者試験を取った方がいい?」
「応用情報を取ってからPM試験を受けるのは遠回りでは?」
「IT知識に自信がないけれど、いきなりプロジェクトマネージャ試験を受験しても大丈夫?」
このように、プロジェクトマネージャ試験を目指す人の中には、応用情報技術者試験を先に受験するべきか迷っている人も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、応用情報技術者試験は、プロジェクトマネージャ試験の必須条件ではありません。
IT知識が十分にあり、午前Ⅰの問題にも自信があるのであれば、応用情報を受験せず、直接プロジェクトマネージャ試験を目指してもよいでしょう。
一方で、IT知識に不安がある人にとっては、応用情報を先に取得することが結果的に近道になる場合があります。
まさに「急がば回れ」です。
私自身も、もともとIT知識がなく、ITプロジェクトの経験もありませんでした。
そのため、応用情報技術者試験を先に受験し、合格してからプロジェクトマネージャ試験に挑戦しました。
この記事では、私自身の経験も踏まえて、次のことを解説します。
- どんな人が応用情報を先に取るべきなのか
- 応用情報を先に取得するメリット
- 応用情報を先に取得するデメリット
- PM試験を直接受験してもよい人
- 応用情報に不合格だった場合の考え方
結論:IT知識に不安があり、時間があるなら応用情報を先に取るのがおすすめ
まず、プロジェクトマネージャ試験を受験するために、応用情報技術者試験に合格している必要はありません。
したがって、全員が応用情報を先に受験する必要はありません。
ただし、次の条件に当てはまる人には、私は応用情報を先に受験することをおすすめします。
- IT知識がない
- 基本情報技術者試験レベルのIT知識にも自信がない
- 午前Ⅰの免除がない
- これまで応用情報技術者試験に合格したことがない
- プロジェクトマネージャ試験まで半年以上ある
- 上記の条件が複数当てはまる
特に、「IT知識がない」かつ「午前Ⅰの免除がない」という人には、基本的に応用情報を先に取ることを強くおすすめします。
なぜなら、応用情報に合格することで、IT知識の習得に一つの区切りをつけられるからです。
一方で、すでにIT知識があり、午前Ⅰにも自信があるのであれば、応用情報を飛ばしてPM試験に集中する方法もあります。
つまり、重要なのは「全員が応用情報を取るべき」ということではありません。
自分の現在地を確認して、必要な試験を選ぶことが重要です。
応用情報を先に取る7つのメリット
1.IT知識の習得に一区切りをつけられる
私が考える、応用情報を先に取得する最大のメリットはこれです。
プロジェクトマネージャ試験の勉強をしていると、PMに関する知識だけではなく、ITに関する知識も必要になります。
特にIT知識に自信がない人の場合、PM試験の勉強をしながらIT知識も身につけようとすると、何をどこまで勉強すればよいのか分からなくなりやすいでしょう。
そこで、先に応用情報技術者試験に合格します。
応用情報に合格することができれば、少なくとも「IT知識を身につける」という課題に一つの区切りをつけることができます。
その後にプロジェクトマネージャ試験へ進めば、PM試験の勉強ではプロジェクトマネジメントにより集中できます。
これは、勉強を一つずつ積み重ねていくという意味でも大きなメリットです。
2.午前Ⅰ免除を利用できる
応用情報技術者試験に合格すると、一定の条件を満たした場合に、プロジェクトマネージャ試験など高度試験の午前Ⅰ試験が免除される制度があります。
この午前Ⅰ免除を利用できることは、応用情報を先に取得する大きなメリットの一つです。
プロジェクトマネージャ試験では、PMの知識だけを勉強すればよいわけではありません。
午前Ⅰでは、より広いIT分野の知識が問われます。
午前Ⅰ免除の対象となっていれば、この対策をPM試験と並行して行う必要がなくなります。
特にIT知識に自信がない人にとっては、午前Ⅰ対策に必要な時間を別の勉強に使えるようになることは大きなメリットです。
なお、午前Ⅰ免除には有効期間などの条件があります。
そのため、応用情報に合格しただけで「今後ずっと午前Ⅰが免除される」と考えないようにしましょう。
3.ITの基礎知識が身につく
応用情報の勉強を通じて、ITに関する幅広い基礎知識を身につけることができます。
プロジェクトマネージャは、必ずしも自分自身が高度な技術者になる必要はありません。
しかし、ITプロジェクトをマネジメントするのであれば、メンバーが話している内容や、プロジェクトで発生している問題を理解するためのIT知識は必要になります。
応用情報の勉強は、その土台を作る機会になります。
4.午後Ⅰの問題を解く力が身につく
応用情報の午後問題では、実際の状況を読み取り、そこから適切な答えを考える力が求められます。
このような問題に慣れておくことは、プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰ対策にもつながります。
プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅰでは、ITプロジェクトを題材として、プロジェクトマネージャとしてどのように考え、対応するかを問われます。
そのため、応用情報を通じてITプロジェクトに関する問題を読み解く力を身につけておくことは、PM試験の土台になります。
5.ITプロジェクトを理解しやすくなる
IT知識がない状態では、PM試験の問題文に出てくる技術的な用語やシステム構成などを理解するだけで時間がかかってしまうことがあります。
一方で、ある程度のIT知識が身についていれば、問題文の状況を理解することに余計な負荷がかかりません。
そうすると、プロジェクトマネージャとして「どう考えるべきか」「どう対応すべきか」という、本来考えるべき部分に集中できます。
6.PM試験の対策に集中しやすくなる
応用情報を先に取得することで、IT知識や午前Ⅰ対策に追われることが少なくなります。
その分、プロジェクトマネージャ試験で重要になるPMの知識や午後Ⅰ・午後Ⅱの対策に時間を使えるようになります。
つまり、単純に「資格を一つ増やす」ということではありません。
先に応用情報を取得しておくことで、次のプロジェクトマネージャ試験に向けて、勉強のリソースを集中させやすくなるのです。
7.一つずつ合格することで自信につながる
資格試験の勉強では、「何から手をつければよいのか分からない」という状態が一番苦しいことがあります。
特にIT知識がない状態で、いきなりプロジェクトマネージャ試験に挑戦すると、勉強範囲の広さに圧倒されてしまうかもしれません。
そこで、まず応用情報に取り組みます。
そして応用情報に合格したら、次にプロジェクトマネージャ試験へ進みます。
このように一つずつ課題をクリアしていくことで、「IT知識はここまで勉強した」という自信にもつながります。
プロジェクトマネジメントでは、プロジェクトを小さな単位に分けて、一つずつ進めていくことがあります。
資格試験についても、同じように考えてみてもよいのではないでしょうか。
応用情報を先に取るデメリットは「時間がかかる」こと
もちろん、応用情報を先に取得することにはデメリットもあります。
一番大きなデメリットは、時間がかかることです。
応用情報を受験するということは、それだけプロジェクトマネージャ試験の勉強を始める時期が遅くなる可能性があります。
例えば、今すぐプロジェクトマネージャ試験を受験できるだけのIT知識がある人が、わざわざ応用情報から始めれば、それは遠回りになってしまう可能性があります。
また、応用情報を受験するためにPM試験そのものを延期する必要があるのであれば、資格取得までの期間はさらに長くなります。
したがって、「応用情報を先に取る=必ず効率がよい」というわけではありません。
自分の現在地を考えて判断する必要があります。
応用情報はPM試験の必須条件ではない
ここは誤解しないでほしいポイントです。
プロジェクトマネージャ試験に合格するために、必ず応用情報技術者試験に合格しなければならないわけではありません。
すでにIT知識が十分にあり、午前Ⅰの問題にも自信があるのであれば、応用情報を受験せずにPM試験へ進んでもよいでしょう。
例えば、ITエンジニアとして長く仕事をしている人や、基本情報技術者試験レベルの知識が十分に身についている人であれば、応用情報を取得することよりも、PM試験の対策に時間を使ったほうが効率的な場合があります。
つまり、重要なのは「応用情報を持っているか」ではありません。
自分に今、何の勉強が必要なのかを判断することです。
こんな人はPM試験を直接受験してもよい
一方で、次のような人は、応用情報を先に取得せず、直接プロジェクトマネージャ試験を目指してもよいと思います。
- IT知識に自信がある
- 基本情報技術者試験レベルの知識がある
- 午前Ⅰの問題を解いても十分に対応できる
- すでに午前Ⅰの免除を利用できる
- PM試験までの時間があまりない
- PM試験の午後Ⅰ・午後Ⅱ対策に集中したい
特に、IT知識があり、午前Ⅰの問題にも自信がある人であれば、応用情報を受験する必要性は低いでしょう。
「応用情報を取ってからでなければPM試験を受けてはいけない」と考える必要はありません。
「応用情報に合格してからPM」という順番がおすすめ
では、IT知識に不安がある人は、具体的にどうすればよいのでしょうか。
私なら、次のように考えます。
応用情報を先に受験することを決めたのであれば、まず応用情報の合格を目指します。
そして、応用情報に合格した後に、プロジェクトマネージャ試験へ進みます。
応用情報の勉強を始めたものの、まだ合格していない状態でPM試験へ進んでしまうと、IT知識の不足を抱えたままPM試験の勉強をすることになります。
もちろん、それでも合格できる可能性はあります。
しかし、IT知識に不安がある人にとっては、かなり負荷の高い受験プロジェクトになってしまいます。
そのため、最初から「まず応用情報を取得する」と決めたのであれば、まずはそこに集中することをおすすめします。
応用情報に不合格だったらPM試験に進むべき?
ここも判断に迷うところだと思います。
私の考えでは、一度「応用情報を先に取得する」と決めたのであれば、基本的には応用情報の合格を目指したほうがよいと思います。
なぜなら、応用情報に合格できていないということは、まだIT知識について十分な土台ができていない可能性があるからです。
その状態でプロジェクトマネージャ試験に進んでも、合格するためのハードルはかなり高くなります。
もちろん、応用情報の結果が不合格だったとしても、その原因を分析して「PM試験に必要なIT知識は十分に身についた」と判断できるのであれば、PM試験へ進む選択肢はあります。
しかし、基本的なIT知識が不足していて応用情報に不合格だったのであれば、もう一度応用情報に挑戦するほうがよいでしょう。
これも、プロジェクトマネジメントと同じです。
計画どおりに進まなかったのであれば、現状を分析し、計画を修正する。
資格試験も一つのプロジェクトとして考えると、自然な判断だと思います。
私自身は、応用情報を先に取って正解だった
私は、プロジェクトマネージャ試験を受験する前に、応用情報技術者試験を受験しました。
当時の私は、もともとIT知識がありませんでした。
さらに、ITプロジェクトの経験もありませんでした。
そのため、いきなりプロジェクトマネージャ試験を受験していたら、かなり苦労していたと思います。
そこで、まず応用情報の勉強をしました。
そして応用情報に合格した後、次の年度にプロジェクトマネージャ試験を受験しました。
この順番で受験したことで、PM試験の勉強をするときには、IT知識を身につけることにそこまで時間を割く必要がありませんでした。
その分、プロジェクトマネジメントの知識や、午後Ⅰ・午後Ⅱの対策に余裕を持って取り組むことができました。
私の場合は、結果的にこの順番が合っていたと思います。
応用情報を先に取るかどうかは「自分の現在地」で決めよう
ここまで読んで、「結局、自分は応用情報を先に受けるべきなの?」と思った人もいるでしょう。
その判断には、次の3つを確認してみてください。
- 基本情報技術者試験レベルのIT知識があるか
- 午前Ⅰの免除を利用できる状態か
- PM試験まで半年以上あるか
特に、IT知識がなく、午前Ⅰの免除もないのであれば、応用情報を先に取得することを強くおすすめします。
逆に、IT知識があり、午前Ⅰにも自信があるのであれば、応用情報を飛ばしてPM試験に集中する方法もあります。
また、試験まで半年以上あるのか、半年未満なのかによっても、取れる戦略は変わってきます。
つまり、「応用情報を先に取るべきか」を考えるときは、資格の有無だけを見るのではありません。
現在のIT知識、午前Ⅰ免除の有無、試験までの残り時間。
この3つを確認して、自分に合った受験戦略を考えましょう。
すでにPM試験に申し込んでいるなら、簡単に諦めない
ここまで「応用情報を先に」と説明してきましたが、すでにプロジェクトマネージャ試験に申し込んでいる人はどうすればよいのでしょうか。
私は、「合格できそうにないから受験しない」という判断は、必ずしもおすすめしません。
すでに受験を申し込んでいるのであれば、勉強できるところまで勉強して、本番を受験することにも意味があります。
本番の試験を経験することで、自分がどこまでできるのかを知ることができます。
また、試験会場で実際に問題を解く経験は、次回の受験に向けた貴重な材料になります。
一方で、勉強を進めてみて「やはり今の状態では厳しい」と判断したのであれば、受験を延期して応用情報から取り直すことも立派な戦略です。
大切なのは、最初に決めた計画に固執することではありません。
現在の状況を分析して、合格という目的に向けて計画を修正すること。
これもプロジェクトマネジメントの一つです。
まとめ:IT知識に不安があるなら「急がば回れ」
プロジェクトマネージャ試験を受験するために、応用情報技術者試験を先に取得することは必須ではありません。
しかし、IT知識に不安がある人にとっては、応用情報を先に取得することが結果的に近道になる場合があります。
特に、次の条件に当てはまるのであれば、応用情報を先に受験することを検討してみてください。
- IT知識がない
- 基本情報レベルのIT知識にも自信がない
- 午前Ⅰの免除がない
- 試験まで半年以上ある
応用情報に合格することで、IT知識の習得に一区切りをつけることができます。
さらに、午前Ⅰ免除の対象となる条件を満たしていれば、PM試験の午前Ⅰ対策を省ける場合があります。
その分、プロジェクトマネージャ試験ではPM対策に集中しやすくなります。
一方で、すでにIT知識があり、午前Ⅰにも自信がある人であれば、応用情報を受験せずにPM試験へ進むほうが効率的な場合もあります。
つまり、重要なのは「応用情報を先に取るべきか」ではなく、「自分に今何が必要なのか」を判断することです。
プロジェクトマネージャ試験も、一つのプロジェクトとして考えてみましょう。
現在の自分の知識や経験を分析し、必要な勉強を決め、限られた時間とリソースをどこに配分するのか。
それを考えること自体が、プロジェクトマネージャとしてのトレーニングにもなります。
IT知識に不安があるなら、焦ってPM試験に挑戦するより、まず応用情報で土台を作る。
急がば回れ。
ただし、応用情報は必須ではありません。
あなたの現在地に合った受験戦略を考えてみてください。
「自分の場合は応用情報を先に取るべき?」と迷ったら、PM道場の「プロジェクトマネージャ試験の勉強法診断」で、自分に合った受験対策を確認してみてください。
私は令和5年度 IPAプロジェクトマネージャ試験に合格しました。
実際に合格した経験をもとに、勉強方法やおすすめ参考書、最難関といわれる午後Ⅱ論文の対策方法を詳しく解説しています。
「これから勉強を始めたい」「効率よく合格したい」という方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。














