IPAプロジェクトマネージャ試験 午後Ⅱ【令和4年度秋 問1】では、チームの育成計画(資源マネジメント)について問われています。
チームの育成について、どのように育成したのか、なぜその育成方法をとったのかを論理的に説明できると良いです。
設問ア|プロジェクト目標と不健全な状態を具体的に説明する
設問アでは以下3点について論じます。
- ① システム開発プロジェクトの目標
- ② 目標の達成が危ぶまれると考えたメンバーやチームの想定された不健全な状態
- ③ その状態を引き起こすと考えた人間的側面での背景や事象
① システム開発プロジェクトの目標
ここで重要なのは、目標を定量的に示すことです。
設問ウにおいて、目標達成にどのような貢献をしたかの説明が求められるため、定量的に説明しておくことで、根拠のある分かりやすい説明ができます。
例えば以下のような内容です。
- 納期遵守率100%
- レビュー指摘件数20%削減
- 生産性15%向上
- 障害件数30%削減
② 不健全な状態
ここでは、具体的で分かりやすい説明を心がけると良いです。
実際にどのような状態だったのか、プロジェクトマネージャとしてどのように把握したのかを説明できると良いです。
例えば以下のような内容があります。
- メンバーからのエスカレーション
- 打合せで発言が少ない
- レビュー遅延が頻発している
- 成果物の品質低下
- 作業の押し付け合いが発生している
単に「雰囲気が悪かった」と書くのではなく、どのような事象から問題を把握したのかまで説明すると、説得力が増します。
③ 人間的側面での背景や事象
問題文にもあるように、背景としては、異なる慣習や価値観を持つメンバーや急なメンバー交代などがあります。
例えば以下のような背景です。
- グローバルプロジェクトで複数国のメンバーが参加していた
- 急な離任により引継ぎ不足が発生した
- 経験差が大きいチーム構成だった
また、事象としては以下のような内容があります。
- 協力する姿勢が見られない
- 一体感が不足している
- 士気が上がらないメンバーが多い
- 課題を共有しない
ここでは、技術面ではなく「人間関係」に焦点を当てることが重要です。
設問イ|健全な状態と育成計画を論理的に説明する
設問イでは以下2点を論じます。
- ① 目指したメンバーやチームの健全な状態と、その状態を目指した理由
- ② 人間的側面に着目して作成したチームの育成計画(工夫したことを含める)
① 目指した健全な状態
健全な状態とはどのような状態なのかを具体的に説明します。
設問アで説明した不健全な状態と対になる状態を示せると良いです。
例えば以下のような状態です。
- メンバー同士が自主的に助け合う
- 会議で積極的に発言する
- 問題を早期共有する
- レビューを協力して実施する
また、なぜその状態を目指したのかも説明します。
ここでは、プロジェクト目標との関連を示すことが重要です。
例えば、「納期遵守率100%を達成するためには、課題の早期共有が必要だった」などのように説明できると、論理的な文章になります。
② 人間的側面に着目したチームの育成計画
人間的側面という言葉は難しく感じますが、ここでは以下のような内容を意識すると良いです。
- 協力
- 信頼関係
- 一体感
- 士気
つまり、チームとして目標達成を目指すための人間関係改善について説明できれば良いです。
信頼関係を築くための施策
- 1on1ミーティングを実施した
- 雑談時間を設けた
- 困りごとを相談しやすい雰囲気を作った
協力体制を作るための施策
- ペア作業を導入した
- レビューを相互実施にした
- 進捗共有会を毎日実施した
一体感を高めるための施策
- チーム目標を見える化した
- 成功事例を全員へ共有した
- 感謝を伝える場を設けた
士気向上の施策
- 小さな成功を積極的に称賛した
- 成果を定量的に共有した
- メンバーへ役割と責任を与えた
さらに、チームメンバーの自己組織化について説明できると良いです。
自己組織化とは、メンバーがプロジェクト目標達成のために、自律的に責任を持って行動することです。
また、チーム育成についても、メンバー自身が主体的に関わる状態を指します。
工夫としては以下のような内容があります。
- メンバーから責任者を選出した
- 育成計画をメンバーと一緒に作成した
- 改善活動をチーム主体で運営した
設問ウ|育成計画の成果を定量的に説明する
設問ウでは以下2点について論じます。
- ① 育成計画を実行した過程で発生した問題と解決策
- ② 育成計画の実行結果がプロジェクト目標にどのように貢献したか
① 発生した問題と解決策
ここでは、育成中にどのような問題が発生したのかを具体的に説明します。
例えば以下のような問題です。
- 会議が形骸化した
- 一部メンバーしか発言しなかった
- 改善活動が継続しなかった
さらに、その問題がなぜ発生したのかも分析できると良いです。
ここで使いやすいのが「なぜなぜ分析」です。
なぜを繰り返すことで原因を深掘りでき、解決策の根拠を強くできます。
例えば以下のような流れです。
- なぜ発言しないのか → 発言しづらい雰囲気だった
- なぜ雰囲気が悪いのか → 否定的な意見が多かった
- なぜ否定的なのか → レビュー方針が統一されていなかった
そのうえで、具体的な解決策を書きます。
- 発言ルールを決めた
- レビュー観点を標準化した
- ファシリテータを配置した
さらに、解決策によってどのように改善したのかまで説明できると良いです。
② 育成計画がプロジェクト目標へ貢献した内容
ここでは、設問アで説明した定量的目標と比較して説明することが重要です。
例えば以下のように比較します。
- 改善前:納期遅延率30%
- 改善後:納期遵守率95%
- 改善前:レビュー指摘件数120件
- 改善後:レビュー指摘件数70件
不健全な状態のままだった場合と、健全な状態へ改善した場合を比較することで、育成の効果を論理的に説明できます。
まとめ
この問題では、単に「教育しました」と書くだけでは不十分です。
チームの状態をどのように把握し、なぜその状態になったのかを分析し、どのような育成を実施したのかを論理的に説明することが重要です。
特に以下3点を意識すると、説得力のある論述になります。
- 定量的に説明する
- 人間的側面を具体的に書く
- 改善前後を比較して成果を書く
午後Ⅱは「論理性」が重要です。
状態・原因・改善・成果の流れを意識して答案を作成しましょう。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。

