IPAプロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ論文では、よく「具体的に書きましょう」と言われます。
しかし、多くの人が次のように悩みます。
- 何を書けば具体的なのか分からない
- 自分では具体的に書いたつもり
- 読み返すと抽象論になっている
実は、「具体的」という言葉には複数の意味があります。
単に文章量を増やすことではありません。
この記事では、午後Ⅱ論文における「具体的に書く」を、次の5つの観点で整理します。
- 範囲(広い ⇔ 狭い)
- 解像度(粗い ⇔ 細かい)
- 実行(方針 ⇔ 手順)
- 思考(概念 ⇔ 事例)
- 数値(指標 ⇔ 実測値)
この5つを理解すると、論文の説得力が一気に上がります。
結論|「具体的に書く」とは“読者が情景を想像できる状態”にすること
午後Ⅱ論文で求められる「具体性」とは、採点者が状況をイメージできることです。
例えば、次の文章を比較してください。
抽象的
「関係者と調整を行った。」
具体的
「利用部門の課長3名と週1回の定例会を設け、画面変更による業務影響を確認しながら優先順位を調整した。」
後者は、
- 誰と
- いつ
- 何を
- なぜ
- どのように
をイメージできます。
つまり、具体的とは「映像化できる文章」です。
範囲の具体化|広い話から狭い話へ落とし込む
抽象的な文章は、対象範囲が広すぎます。
抽象的な例
「品質向上を行った。」
これでは、
- どの品質か
- どの工程か
- どの成果物か
が分かりません。
具体的な例
「結合テスト工程で発生していたインタフェース不整合を減らすため、外部設計レビューに運用部門を参加させた。」
対象範囲が狭くなり、イメージしやすくなっています。
ポイント
論文では、
- 全体
- 関係者全員
- システム全般
- 品質全体
のような“大きすぎる言葉”を減らしましょう。
代わりに、
- どの工程か
- どの機能か
- どの部門か
- どの成果物か
まで絞ることが重要です。
解像度の具体化|粗い説明を細かくする
抽象的な文章は、粒度が粗いです。
抽象的な例
「進捗管理を強化した。」
これでは何をしたか分かりません。
具体的な例
「WBSを1週間単位で管理し、各担当者に毎週金曜日までに進捗率と残課題を報告させた。」
この文章では、
- 何を使ったか
- どの単位か
- いつか
- 誰がか
まで分かります。
ポイント
解像度を上げるには、次を追加します。
- 頻度
- タイミング
- 担当者
- 使用資料
- 会議体
- 管理単位
特に午後Ⅱでは、「どのように運営したか」が重要です。
実行の具体化|方針だけでなく手順を書く
午後Ⅱ論文で最も多い失敗です。
多くの人は「考え」を書きます。
しかし、採点者が見たいのは「実際にどう動いたか」です。
抽象的な例
「コミュニケーションを重視した。」
これは方針です。
具体的な例
「認識齟齬を防ぐため、議事録を会議終了30分以内に配信し、未回答事項は担当者と期限を明記した。」
これは実際の行動です。
ポイント
午後Ⅱでは、
- 何を考えたか
- 何を実施したか
- どの順番で行ったか
- どのように管理したか
まで書きましょう。
思考の具体化|概念ではなく事例を書く
抽象論は、教科書っぽい文章になりやすいです。
抽象的な例
「ステークホルダーマネジメントが重要である。」
これは概念です。
具体的な例
「営業部門は早期リリースを優先していた一方、運用部門は障害リスク低減を重視していたため、両部門を交えたリスク評価会議を開催した。」
これは現場で起きた事例です。
ポイント
午後Ⅱ論文では、“あなたのプロジェクト”を書く必要があります。
そのため、
- 一般論
- PMBOKの説明
- 教科書の丸写し
だけでは弱いです。
実際に発生した対立、問題、制約を書くと、一気に具体性が上がります。
数値の具体化|指標ではなく実測値を書く
数値がない論文は、非常に抽象的に見えます。
抽象的な例
「レビュー品質を改善した。」
具体的な例
「レビュー指摘件数が平均3件だったため、チェックリストを追加した結果、平均8件まで増加した。」
数値があることで、説得力が出ます。
午後Ⅱで使いやすい数値例
- 工数
- 件数
- 期間
- 人数
- 発生率
- 進捗率
- 障害件数
- レビュー指摘数
- 会議頻度
ポイント
正確な数字でなくても構いません。
重要なのは、「定量的に管理していた」ことを示すことです。
抽象→具体に変換する練習方法
おすすめは、「なぜ?」「具体的には?」を自分に繰り返すことです。
例えば、
「進捗管理を強化した。」
↓ 具体的には?
「WBSを毎週更新した。」
↓ さらに具体的には?
「毎週金曜日に担当者別の遅延タスクを確認した。」
↓ なぜ?
「工程遅延が2週間続いていたため。」
このように掘り下げると、論文の密度が上がります。
まとめ|午後Ⅱ論文は“具体化ゲーム”
午後Ⅱ論文では、抽象論だけでは評価されにくいです。
重要なのは、「あなたが実際にどう動いたか」を伝えることです。
具体化の観点は次の5つです。
- 範囲:広い → 狭い
- 解像度:粗い → 細かい
- 実行:方針 → 手順
- 思考:概念 → 事例
- 数値:指標 → 実測値
論文を書いたら、次を確認してください。
「採点者は情景を想像できるか?」
これが、“具体的に書けているか”の判断基準です。
これはCTAサンプルです。
内容を編集するか削除してください。

