「プロジェクトマネージャ試験を受験したいけれど、PM経験がない……」

「ITの知識にもあまり自信がない」

「午前Ⅰの対策も必要だけれど、試験まで半年以上ある」

このような方は、どこから勉強を始めればよいのか迷ってしまうかもしれません。

PM経験がなく、IT知識にも自信がなく、さらに午前Ⅰの対策も必要となると、プロジェクトマネージャ試験の中ではかなり準備が必要なケースです。

しかし、試験まで半年以上あるのであれば、焦る必要はありません。

むしろ、このタイプで重要なのは、すべてを一度に勉強しようとすることではありません。

午前Ⅰから午後Ⅱまで、一つずつ着実に積み上げていくこと。

これが合格への近道です。

また、可能であれば、プロジェクトマネージャ試験を受験する前に応用情報技術者試験を受験することも検討してください。

応用情報技術者試験を一つのステップとして挟むことで、IT知識を身につけながら、順序立ててプロジェクトマネージャ試験へ進むことができます。

この記事では、PM経験がなく、IT知識にも自信がなく、午前Ⅰ免除もないものの、試験まで半年以上ある方に向けて、どのように勉強を進めればよいのかを解説します。

まずは全体のスケジュールを決める

このタイプで最初にやってほしいのは、参考書を開くことではありません。

試験日までの全体スケジュールを決めることです。

PM経験もIT知識もなく、午前Ⅰ対策も必要な場合、勉強することが非常に多くなります。

そのため、目の前の問題を一つずつ解いているだけでは、気がついたら午後Ⅱの対策をする時間がなくなってしまう可能性があります。

例えば、次の内容を最初に決めておきます。

  • 応用情報技術者試験を受験するのか
  • 午前Ⅰ対策にどれくらい時間を使うのか
  • PM基礎をいつまでに終えるのか
  • 午前Ⅱをいつまでに仕上げるのか
  • 午後Ⅰをいつから始めるのか
  • 午後Ⅱの論文練習をいつから始めるのか

そして、勉強を進めてみて予定どおり進まないのであれば、受験時期を延期することも選択肢の一つです。

「一度決めた試験日に絶対に間に合わせなければならない」と考える必要はありません。

特にこのタイプは、基礎を十分に理解しないまま先へ進むと、後半の午後Ⅰ・午後Ⅱで苦しくなります。

長期戦だからこそ、全体を見ながら計画的に進めましょう。

応用情報技術者試験の受験を検討する

このタイプの方には、私は応用情報技術者試験を一度受験することを強くおすすめします。

理由は、応用情報の勉強を通じて、プロジェクトマネージャ試験の土台となるIT知識を身につけることができるからです。

また、応用情報に合格すれば、一定の条件を満たす場合、プロジェクトマネージャ試験の午前Ⅰが免除されます。

つまり、次のような流れを作ることができます。

応用情報でIT知識を身につける

午前Ⅰ免除を得る

PM試験でPM知識・午後対策に集中する

これは、PM経験もIT知識もない方にとって、かなり大きなメリットです。

もし応用情報を受験するのであれば、最初からPM試験と並行して勉強する必要はありません。

まずは応用情報に集中してください。

そして、もし不合格だった場合は、もう一度応用情報の合格を目指すことをおすすめします。

応用情報に合格できない状態で、さらに難易度の高いプロジェクトマネージャ試験に進むのは、かなり厳しいからです。

一つずつ試験をクリアしていくことで、結果的にPM試験への道筋も明確になります。

応用情報を受験しない場合は午前Ⅰから始める

もちろん、必ず応用情報を受験しなければならないわけではありません。

応用情報を受験しないのであれば、午前Ⅰ対策から始めましょう。

この場合も、まず参考書で全体をしっかり理解します。

その後、過去問を大量に解いていきます。

分からない問題や分野があれば、参考書に戻って確認します。

半年以上あるのであれば、単に問題の答えを覚えるのではなく、なぜその答えになるのかを理解することを意識してください。

最終的には、午前Ⅰで8割程度を安定して取れる状態を目指します。

PM基礎は2~3カ月かけてしっかり学ぶ

午前Ⅰ対策が終わったら、PM基礎をしっかり勉強します。

このタイプでは、ここを短縮しすぎないことが重要です。

PM経験がないため、プロジェクトマネージャが何を考え、どのようにプロジェクトを管理するのかを、まず理解する必要があります。

そのため、2~3カ月程度かけてPM基礎を勉強するくらいのつもりでよいでしょう。

例えば、次のような内容を一つずつ理解していきます。

  • プロジェクトマネジメントの基本的な考え方
  • 統合
  • スコープ
  • スケジュール
  • コスト
  • 品質
  • 資源
  • コミュニケーション
  • リスク
  • 調達
  • ステークホルダー

ここでは、単なる用語暗記にしないことが大切です。

「PMなら、この知識を実際のプロジェクトでどう使うのか?」

という視点を持って勉強してください。

PM基礎と自分の経験を結び付ける

そして、ここから午後Ⅱ対策も始まっています。

PM経験がないからといって、PM基礎を勉強するだけで終わらせないでください。

例えば、スケジュールマネジメントを勉強したら、

「自分が参加したプロジェクトでは、スケジュールをどのように管理していたか?」

と考えてみます。

リスクマネジメントを勉強したら、

「自分が経験したプロジェクトでは、どんなリスクがあり、どのように対応していたか?」

と考えてみます。

このように、PM基礎と自分のプロジェクト経験を関連付けながら勉強することをおすすめします。

そうすることで、知識が単なる暗記ではなくなります。

同時に、午後Ⅱで使える自分の経験も少しずつ整理されていきます。

午前Ⅱは過去問中心で8割を目指す

PM基礎を身につけたら、午前Ⅱ対策に進みます。

午前Ⅱは過去問を中心に勉強しましょう。

最初は分からない問題が多くても問題ありません。

問題を解き、間違えた問題を確認し、繰り返し解いていきます。

IT知識がない場合、分からないIT用語が出てくることもあるでしょう。

その場合は、その都度調べて理解します。

ただし、午前ⅡのためにIT知識を最初からすべて勉強し直す必要はありません。

すでに午前Ⅰの勉強を通じてITの基礎を学んでいるため、ここではPM試験で必要になるIT知識を、過去問を通じて補強していくイメージで十分です。

長期タイプなので、最終的には8割程度を安定して取れる状態を目指します。

午後ⅠはITプロジェクトの事例に慣れる

午後Ⅰでは、参考書などで問題の読み方や解き方を学び、その後、過去問を繰り返します。

このタイプの受験生が意識したいのは、ITプロジェクトの事例に慣れることです。

IT知識がない状態では、問題文に登場するシステム開発、技術的な問題、システム構成などが、最初はイメージしづらいかもしれません。

しかし、これは過去問を繰り返すことで徐々に慣れていきます。

分からないIT用語が出てきたら調べ、

「ITプロジェクトでは、このような問題が起こるのか」

と理解していきましょう。

また、ここでもPM基礎や自分の経験と関連付けて考えることが重要です。

例えば、午後Ⅰの問題でスケジュール遅延がテーマになっていたら、

「自分が経験したプロジェクトでは、似たような問題はなかったか?」

と考えてみます。

この積み重ねが、午後Ⅱの論文対策にもつながります。

長期タイプなので、午後Ⅰも8割程度を安定して取れる状態を目指しましょう。

午後ⅡはPM経験がなくても対策できる

そして、最も不安に感じる人が多いのが午後Ⅱではないでしょうか。

「PM経験がないのだから、論文なんて書けないのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、PM経験がないことと、午後Ⅱで使えるプロジェクト経験がないことは同じではありません。

これまでに参加したプロジェクトを思い出してください。

そのプロジェクトには、スケジュール、品質、リスク、関係者との調整など、何らかのプロジェクトマネジメント上の課題があったはずです。

それをPMの視点から整理し直すのです。

10の知識エリアで自分の経験を整理する

自分の経験を整理するときには、次の10の知識エリアを使うと整理しやすくなります。

  • 統合
  • スコープ
  • スケジュール
  • コスト
  • 品質
  • 資源
  • コミュニケーション
  • リスク
  • 調達
  • ステークホルダー

例えば、リスクについて考えるのであれば、次のように整理します。

  • どんなリスクがあったか
  • そのリスクを誰が認識していたか
  • どのような対応を検討したか
  • 誰と調整したか
  • 最終的にどのような結果になったか

自分がPMとして意思決定をしていなかったとしても、プロジェクトの中で実際に起きた出来事をPMの視点から分析することはできます。

可能であれば、実際にそのプロジェクトを管理していたPMに話を聞いてみるのもよいでしょう。

例えば、次のようなことを聞いてみます。

  • 「なぜその判断をしたのか?」
  • 「どのようなリスクを考えていたのか?」
  • 「関係者との調整では何を意識していたのか?」

こうした質問をすることで、自分にはなかったPMとしての視点を学べます。

自分の経験をITプロジェクトとして整理する

IT知識がない場合は、さらに一つ工夫が必要です。

それは、自分が経験したプロジェクトをITプロジェクトとして置き換えて整理することです。

これは、経験していない出来事を完全に架空で作るという意味ではありません。

自分が実際に経験したプロジェクトをベースにして、試験で扱われるITプロジェクトの文脈に合わせて再構成していきます。

例えば、実際のプロジェクトで経験した次のような出来事です。

  • スケジュールの遅延
  • 仕様変更
  • 品質問題
  • 関係者との調整
  • リスクへの対応
  • 外部業者との調整

こうした経験を、ITプロジェクトにおける出来事として整理していきます。

午後Ⅰの過去問などでITプロジェクトの事例に慣れておけば、自分の経験をどのように置き換えればよいのかも分かりやすくなります。

午後Ⅱの論文は10本程度書く

長期タイプであれば、午後Ⅱの論文は10本程度書くことをおすすめします。

いきなり10本を書き始める必要はありません。

まず1本書いてみてください。

すると、次のような弱点が見えてきます。

  • 自分の経験が整理できていない
  • PMとしての視点が弱い
  • 論文の構成がうまく作れない
  • 時間内に書き切れない

そこから少しずつ改善していきます。

また、午後Ⅱ対策を始めるのは、午後Ⅰの勉強が終わってからではありません。

PM基礎を勉強している段階から、自分の経験を整理し始めることをおすすめします。

午前Ⅱや午後Ⅰの勉強をしているときも、「この知識は自分の経験のどこに当てはまるだろう?」と考えてください。

長い勉強期間を、この経験整理にも活用しましょう。

半年以上ある場合の勉強イメージ

例えば、試験まで半年~8カ月程度あるのであれば、次のような流れが考えられます。

前半:応用情報または午前Ⅰ対策

まずは応用情報を受験するかどうかを決めます。

応用情報を受験するのであれば、まずは応用情報に集中します。

受験しないのであれば、午前Ⅰの参考書と過去問を使って、IT基礎をしっかり身につけます。

次の段階:PM基礎

PM経験がないため、ここは焦らず、2~3カ月程度かけてしっかり学びます。

この段階から、自分のプロジェクト経験との関連付けも始めます。

その後:午前Ⅱ

過去問を中心に勉強し、8割程度を安定して取れる状態を目指します。

その後:午後Ⅰ

問題の解き方を学び、過去問を繰り返します。

同時に、ITプロジェクトの事例にも慣れていきます。

最後:午後Ⅱ

整理してきたプロジェクト経験を使って、論文練習を本格化します。

10本程度を目標に、実際に時間を計って書く練習まで行います。

もちろん、午後Ⅱの経験整理はもっと早い段階から始めて構いません。

このタイプは「勉強の順番」が重要

PM経験もIT知識もなく、午前Ⅰ免除もない場合、勉強する内容が多いため、つい焦ってしまいます。

しかし、半年以上の時間があるのであれば、焦ってすべてを同時に勉強する必要はありません。

むしろ、次のように一つずつ進めることが重要です。

応用情報または午前Ⅰ

PM基礎

午前Ⅱ

午後Ⅰ

午後Ⅱ

特に応用情報を受験する場合は、この順番がより明確になります。

「IT知識がないから、PM試験とITの勉強を同時にやらなければならない」と考えるのではなく、まず応用情報でITの土台を作り、その後PM試験へ進む方法も検討してください。

勉強が予定どおり進まなければ、受験延期も選択肢

最後に、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。

受験時期を延期することは、失敗ではありません。

このタイプは、PM経験もIT知識もない状態からスタートします。

そのため、想定よりもPM基礎の理解に時間がかかったり、午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰの対策に時間がかかったりすることもあります。

その場合は、無理に試験日に合わせるのではなく、受験時期を延期することも検討してください。

重要なのは、試験を受けることではなく、合格できる状態を作ることです。

だからこそ、最初に全体のスケジュールを作り、定期的に進捗を確認してください。

まとめ:半年以上あるなら、一つずつ着実に積み上げよう

PM経験がなく、IT知識もなく、午前Ⅰ免除もない。

この条件だけを見ると、プロジェクトマネージャ試験に挑戦するのはかなり大変に思えるかもしれません。

しかし、試験まで半年以上あるのであれば、必要以上に焦る必要はありません。

まずは全体のスケジュールを決めましょう。

そして、可能であれば応用情報技術者試験の受験を検討してください。

応用情報でIT知識を身につけ、合格して午前Ⅰ免除を得ることができれば、その後のPM試験対策を進めやすくなります。

応用情報を受験しない場合でも、午前Ⅰの勉強を通じてITの基礎をしっかり身につけます。

その後はPM基礎を2~3カ月程度かけて学び、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱへと進んでいきます。

そして、PM基礎を学んでいる段階から、自分が経験したプロジェクトと関連付けて考えてください。

午後Ⅱ対策では、PM経験がなくても問題ありません。

自分が経験したプロジェクトをPMの視点から整理し、必要に応じてITプロジェクトとして再構成していきます。

長期戦だからこそ、焦らず一つずつ積み上げることができます。

半年以上あるなら、午前Ⅰから午後Ⅱまで一つずつ着実に積み上げればいい。

そして、応用情報を一つのステップとして活用することで、その「一つずつ着実に積み上げる」という勉強を、さらに実践しやすくできます。

PM経験がない、IT知識がないという現在の状態だけを見て諦める必要はありません。

時間を味方につけて、一つずつ合格に必要な力を身につけていきましょう。

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ABOUT ME
まーも
はじめまして。 当ブログをご覧いただきありがとうございます。 私は EPCプロジェクトで10年間の実務経験 を積み、その後 企業研修の講師として4年目 になります。 現在は、年間300名以上の受講者に向けて、プロジェクトマネジメント研修の企画・開発・講師 を担当しています。 資格としては、 IPAプロジェクトマネージャ試験 合格 PMP®(Project Management Professional) CSM®(Certified ScrumMaster) FP2級 を取得しており、実務と理論の両面から「プロジェクトを成功に導くスキル」を伝えることを得意としています。 EPC業界で培った現場のマネジメント力と、研修講師としての教育経験を活かし、 プロジェクトを円滑に進めるための実践ノウハウ チームをまとめるコミュニケーション術 若手育成やキャリア形成のヒント などを、わかりやすく発信しています。 「現場で役立つ知識を、誰でも理解できる形で」 をモットーに、皆さまの成長と成功をサポートします。
プロジェクトマネージャ試験に合格したい方へ

私は令和5年度 IPAプロジェクトマネージャ試験に合格しました。
実際に合格した経験をもとに、勉強方法やおすすめ参考書、最難関といわれる午後Ⅱ論文の対策方法を詳しく解説しています。

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