私は2023年度(令和5年度)のプロジェクトマネージャ試験に合格しました。
受験当時は紙試験でしたが、現在(2026年度以降)はCBT方式へ移行しています。
試験方式は変わりましたが、勉強方法や午後Ⅰ・午後Ⅱの考え方は今でも十分通用すると考えています。
私は、EPCプロジェクトがメインの会社に所属していたため、システム開発の経験はありませんでした。
そのため、最初はITの知識がほとんどない状態でした。
そんな私でも、応用情報技術試験を経て、プロジェクトマネージャ試験に合格することができました。
この記事では、
- なぜ応用情報技術試験から受験したのか
- どのように勉強したのか
- 午後Ⅱ(論文)はどのように対策したのか
- 今振り返ってもおすすめできる勉強法
を、実際の体験をもとに紹介します。
これからプロジェクトマネージャ試験を受験する方の参考になれば幸いです。
プロジェクトマネージャ試験を受験した理由
私がプロジェクトマネージャ試験を受験しようと思った理由は、仕事でプロジェクトマネジメント研修の講師を担当していたからです。
受講者の多くは、ITプロジェクトに携わる方でした。
そのため、
実務経験だけではなく、IPAが求めるプロジェクトマネジメントも理解しておきたい。
そう考えるようになりました。
また、資格を取得することで、自分の説明にも説得力が増すと考えました。
もちろん、資格を持っているだけで優秀なプロジェクトマネージャになれるわけではありません。
しかし、体系的な知識を身に付けることは、講師としても大きな武器になると考え、受験を決意しました。
最初に応用情報技術試験を受験した理由
実は、最初からプロジェクトマネージャ試験を受験したわけではありません。
まずは応用情報技術試験から挑戦しました。
理由は2つあります。
午前Ⅰを免除できるから
プロジェクトマネージャ試験では、応用情報技術試験に合格すると午前Ⅰ試験が2年間免除になります。
プロジェクトマネージャ試験は午後Ⅰ・午後Ⅱの対策に多くの時間が必要です。
そのため、午前Ⅰが免除されるメリットは非常に大きいと考えました。
ITの基礎知識を身に付けたかったから
もう一つの理由は、ITの基礎知識に自信がなかったことです。
プロジェクトマネージャ試験は、プロジェクトマネジメントだけでなく、IT全般の知識も求められます。
そこで、まずは応用情報技術試験で基礎を固めることにしました。
結果として、この判断は正しかったと思っています。
応用情報技術試験は3か月で合格を目指した
応用情報技術試験の勉強は、試験の約3か月前から始めました。
勉強時間は週20時間を目標にしました。
具体的には、
- 平日:2時間
- 休日:5時間ずつ
です。
忙しい日もありましたが、「週20時間」を目標にすることで、無理なく勉強を続けることができました。
午前試験は過去問道場を繰り返した
午前試験では、まず合格ラインである60点以上を確実に取ることを目標にしました。
そのため、参考書で基本を学んだ後は、過去問道場を何度も解きました。
最初は分からない問題ばかりでした。
しかし、間違えた問題を復習しながら繰り返すことで、少しずつ得点できるようになりました。
午前試験は、過去問演習が非常に重要だと感じています。
午後試験は分野を絞って勉強した
午後試験では、すべての分野を勉強したわけではありません。
私は次の5分野に絞りました。
- 情報セキュリティ(必須)
- 経営戦略
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
それ以外の分野は、ほとんど対策していません。
限られた勉強時間の中では、得点しやすい分野に集中することも大切だと思います。
応用情報技術試験は一発合格だった
結果は、一発合格でした。
点数は決して高くありません。
- 午前:62点
- 午後:63点
どちらも合格ラインぎりぎりでした。
それでも、合格は合格です。
私は「満点を目指す」のではなく、「合格点を確実に超える」ことを意識して勉強しました。
その考え方が、自分には合っていたと思います。
翌年、プロジェクトマネージャ試験に挑戦
応用情報技術試験に合格した翌年、プロジェクトマネージャ試験を受験しました。
午前Ⅰ免除の有効期間は2年間です。
そのため、私はできるだけ早く受験することを選びました。
また、プロジェクトマネージャ試験の合格率は毎年10%台前半と非常に低く、「しっかり勉強しなければ合格できない試験だ」と感じていました。
だからこそ、勉強を始める前から「中途半端な対策では通用しない」と覚悟を決めて取り組みました。
勉強期間は応用情報技術試験と同じく3か月です。
勉強時間も、
- 平日2時間
- 休日5時間ずつ
として、週20時間を確保しました。
そして、この試験では午前Ⅱよりも午後Ⅰ・午後Ⅱを最優先に勉強を進めました。
午後Ⅰ・午後Ⅱを重点的に勉強した理由
午前Ⅱについては、もともと仕事でプロジェクトマネジメントを教えていたこともあり、ある程度の知識がありました。
もちろん勉強は必要ですが、それ以上に重要なのは午後Ⅰと午後Ⅱだと考えました。
特に午後試験は、知識を知っているだけでは合格できません。
問題文を読み取る力や、プロジェクトマネージャとして考える力、そして自分の経験を論文として表現する力が求められます。
そのため、私は午後Ⅰと午後Ⅱに多くの時間を使うことにしました。
午後Ⅰは「問題の読み方」を意識して勉強した
午後Ⅰは記述式です。
そのため、知識を覚えるだけでは点数につながりません。
私は参考書を読みながら、
- 問題文をどのような順番で読むのか
- 設問では何を聞かれているのか
- 解答には何を書くことが求められているのか
この3つを意識して勉強しました。
その後は、とにかく過去問を繰り返しました。
最初は時間もかかり、何を書けば良いのか分からない問題もありました。
しかし、何年分も解いていくうちに、
「この設問ではリスクを聞いている。」
「ここではプロジェクトマネージャとしての判断を書けば良い。」
と、少しずつ出題者の意図が分かるようになりました。
午後Ⅰは、知識だけではなく記述式に慣れることが大切だと感じています。
午後Ⅱは過去の経験を整理することが最も重要だった
私が最も時間をかけたのは、午後Ⅱ(論文)の対策です。
論文では、自分の過去のプロジェクト経験をもとに書く必要があります。
そのため、まずは自分が担当したプロジェクトを一つひとつ振り返りました。
具体的には、
- プロジェクト期間
- プロジェクト規模
- 担当した役割
- プロジェクトの内容
- 発生した問題
- どのように対応したか
- 結果どうなったか
を整理しました。
最初は「これだけで十分だろう」と思っていました。
しかし、過去問を見ていると、毎年違うテーマが出題されます。
コミュニケーションだったり、リスクだったり、品質だったり、ステークホルダーだったり。
そのたびに、
「この経験だけでは答えられない。」
ということが何度もありました。
そこで私は、経験をPMBOKの知識エリアごとに整理することにしました。
PMBOKでは、プロジェクトマネジメントを次のような知識エリアに整理しています。
- スコープ
- スケジュール
- コスト
- 品質
- リソース
- コミュニケーション
- リスク
- 調達
- ステークホルダー
私は、それぞれの知識エリアで印象に残っている出来事をまとめました。
大きな成功だけではありません。
小さな改善や失敗から学んだことも整理しました。
この経験整理のおかげで、どのテーマが出題されても、自分の経験を思い出しやすくなりました。
今振り返っても、この経験整理が一番大変でしたが、一番効果があった準備だったと思っています。
論文を書くときに意識したポイント
経験を整理した後は、実際に論文を書いてみました。
最も効果があった勉強法は、過去問を使って実際に論文を書くことです。
実際に書いてみることで、
- どれくらい時間がかかるのか
- どのくらいの文字数になるのか
- どこで内容が薄くなるのか
を把握することができました。
また、論文を書くときは次のことを意識しました。
- 具体的に書く
- 定量的に書く
- プロジェクトマネージャとして判断したことを書く
例えば、
「メンバーと相談しました。」
だけではありません。
「週1回の定例会議を開催し、進捗遅延を早期に把握できるようにした。」
このように、具体的に書くよう意識しました。
また、プロジェクトマネージャ試験で評価されるのは、自分がどれだけ作業したかではありません。
評価されるのは、
- メンバーをどのように動かしたか
- ステークホルダーとどう調整したか
- スケジュールをどう管理したか
- コストをどう管理したか
- リスクをどう管理したか
など、プロジェクト全体をマネジメントした内容です。
この点を常に意識しながら論文を書きました。
当時は「手の体力」も必要だった
私が受験した2023年度は、まだ紙試験でした。
午後Ⅱでは何千文字もの論文を手書きで書く必要があります。
そのため、本当に手が疲れます。
少し冗談のようですが、私は手の筋トレもしていました(笑)。
長時間書き続ける体力も、当時は必要だったと思います。
一方で、現在はCBT方式へ移行しました。
そのため、今後は手の体力よりも、タイピング速度や長時間入力する力が重要になるかもしれません。
使用した参考書
私が使用した参考書は、
2023-2024 プロジェクトマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策 [ 庄司敏浩 ]
です。
午後Ⅰの解き方や午後Ⅱの論文対策が分かりやすくまとめられており、私にとって非常に役立った一冊でした。
この参考書でポイントを理解し、その後は過去問を繰り返し解くという流れで勉強を進めました。
試験当日に感じたこと
午前Ⅱは、自信を持って解くことができました。
一方で、午後Ⅰは少し不安が残りました。
午後Ⅱについては、正直なところ手応えはまったく分かりませんでした。
ただし、事前に学んだポイントはすべて意識しながら、最後まで論文を書き切ることができました。
試験が終わったときは、
「できることは全部やった。」
という気持ちでした。
合格発表の日は参考書を売ってケーキを買った
合格発表の日は、本当に安心しました。
「受かっていて良かった。」
その一言に尽きます。
合格が分かったあと、私は参考書をブックオフへ持って行きました。
そして、その売却金でケーキを買い、家族で小さなお祝いをしました。
今でも、とても印象に残っている思い出です。
また、会社から資格取得のお祝い金もいただくことができました。
資格を取得したことで、仕事にも以前より自信を持って取り組めるようになったと感じています。
今の私がもう一度受験しても勉強法は変わらない
資格試験では、
「もっと効率の良い勉強法があった。」
と後から思うことがあります。
しかし、プロジェクトマネージャ試験については違います。
今の私がもう一度受験するとしても、勉強法は変わりません。
具体的には、
- 午前Ⅱは過去問道場で過去問を繰り返す
- 午後Ⅰは参考書でポイントを理解し、過去問を繰り返す
- 午後Ⅱは過去の経験を整理し、さまざまなテーマに対応できるよう準備する
この3つです。
派手な裏技はありません。
王道の勉強法を最後までやり切ることが、一番の近道だと思います。
まとめ
プロジェクトマネージャ試験は、決して簡単な試験ではありません。
私も合格率を見たとき、
「しっかり勉強しなければ受からない。」
と感じました。
しかし、特別な才能が必要だったとは思っていません。
大切なのは、
- 継続して勉強時間を確保すること
- 過去問を繰り返すこと
- 午後Ⅱでは自分の経験を整理すること
この3つです。
私はITの知識がほとんどない状態から、応用情報技術試験を経て、プロジェクトマネージャ試験に合格することができました。
これから受験する皆さんも、ぜひ自分の経験を信じて挑戦してみてください。
皆さんの合格を心から応援しています。
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